【全日本シニア選手権】高みを目指す次代のエース・萱和磨 連覇でも「満足したくない」

2020年09月23日 01時18分

男子優勝の萱和磨と女子優勝の村上茉愛

 体操の全日本シニア選手権が22日、群馬・高崎アリーナで行われ、男子個人総合で体操ニッポンのエース・萱和磨(23=セントラルスポーツ)が6種目合計86・998点で優勝。昨年に続く栄冠を手にして、大会2連覇を飾った。

 序盤から堂々たる演技を披露した。あん馬では「失敗しない男」の異名通り安定感ある演技で種目別でもトップ。着地の後に拳を握るパフォーマンスでチームを盛り上げることも忘れない。また、「攻め」の思いを込めた跳馬のロペスでは着地時にラインオーバーとなったが、前日会見で「絶対に立つ」と宣言した通り、気合で立ってみせた。

 試合後、2連覇を成し遂げたエースは「全体的に70点くらい。やっぱり今日の演技では満足したくない」と、まるで敗者のようなセリフを自分に向けた。理想は遥か高い場所にある。今の萱を物語る言葉と表情だった。エースはこう続ける。

「(合計得点)88点を狙っていた。やっぱり本気で個人総合金メダル、団体金メダルを取りたいので」

 この反省の弁に来年夏の目標がきっちり明示されている。昨年の世界選手権個人総合で優勝したニキータ・ナゴルニー(23=ロシア)の得点88・772点に狙いを定めているのは明白。東京五輪で「頂点」に輝くために必要な数字だった。そして、もう一つの野望である「団体戦」への思いも口にした。

「チームのためにできない人は、個人戦でもできないと思っている。仲間がつないでくれたバトンを自分も落とさずにつなぐ。これは個人戦にはない感覚。東京五輪も団体がある。日本として勝ちので、今日みたいな団体戦でも大事にやりたかった」

 セントラルスポーツは萱を筆頭に谷川航、千葉健太が個人総合で表彰台を独占。団体総合でも堂々の優勝を飾った。

 この日は鉄棒一本に勝負を懸けた五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が会場の視線を一身に浴びた。その内村はもう体操ニッポンの団体にいない。

「まだまだいける。今日改めて思いました」

 この揺るぎない自信は、〝内村なき日本〟を本気で背負う責任感の表れだろう。