【体操】〝着地王子〟谷川航は攻めより質! 五輪延期にも冷静「まだ強くなれるなって」

2020年09月22日 00時34分

谷川航

 体操の全日本シニア選手権(群馬・高崎アリーナ)の前日練習が21日に行われ、昨年の世界選手権の団体銅メダル・谷川航(24=セントラルスポーツ)が会見で「攻めより質」の姿勢を明らかにした。

 昨年の世界選手権団体では精神的支柱としてチームには欠かせない存在。同じ代表で同門の萱和磨(23=セントラルスポーツ)とともに日本代表を背負ってきた。しかし、東京五輪へ向けたスタンスはDスコア(演技価値点)を上げる萱とは正反対。谷川はEスコア(出来栄え点)にこだわる。

「僕は新しく入れた技はあん馬くらい。DスコアよりEスコアの質を上げる作業の方が多かった。ホント、勝ちにいってる構成って感じです」

 この信念は揺るぎない。〝着地王子〟の異名を取る谷川は0・1点を拾いにいく体操が身上なのだ。

「Eスコアってどれだけやっても、まだまだ直せつ場所がある。少しでも拾えるところが次から次に出てくる。そうやって改善していった方が最終的にいい点数を取れるんじゃないかなって思います」

 天真爛漫な弟・翔(21=順大)とは正反対。寡黙で冷静な兄・航は相変わらず「僕の調子はいつも通り」と淡々と語りながらも、未曽有のコロナ禍を経て開催する今大会を前に「やっと試合ができる喜びがすごく大きくて楽しみ。苦しい思いをされている方がたくさんいると思うので、少しでも元気づけられたらいいな、という思いです」と実直な気持ちを口にした。

 喜怒哀楽はあまり表に出さず、感情に波はないが「五輪中止ってなったら、ホントにモチベーションが下がって、どうなっていたか分からないんですけど」と本音をチラリ。ただ、続けて「延期だったので、僕はあまりモチベーションは下がったりしない。延期になった1年間をどれだけ有効に使えるかが、さらに自分を強くするもの。まだ強くなれるなって思いましたね」と言い切る。

 大目標は来年夏の東京五輪だが、一足先に今大会に進化した姿を見せてくれるはずだ。