【体操】キング内村 H難度の技動画「たぶん1万回は見た」

2020年09月21日 16時17分

会見で笑顔を見せる内村航平

   五輪個人総合2連覇の体操界のキング・内村航平(31=リンガーハット)が21日、約1年ぶりの実戦となる全日本シニア選手権(22日、群馬・高崎アリーナ)の前日会見を行った。

 両肩痛に悩まされた内村は今年2月、長年こだわり続けてきた6種目の個人総合を諦め、種目別・鉄棒に専念して東京五輪を目指す決断を下した。19日の練習ではH難度の離れ技「ブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」を決め、この日も表情は晴れやかだった。

 1年ぶりの試合へ「ワクワクしている気持ちが強いです」と高揚感をのぞかせたキングだが、その一方で「1種目に絞って初めての試合。今の世界的な状況を踏まえ、特別な感情は持たずに自分が準備してきた演技に集中したい」と百戦錬磨らしい冷静さも垣間見せた。

 注目の大技・ブレトシュナイダーについては「ここに来るまでブレトシュナイダーをやっている選手の動画をたぶん1万回くらい見た」といい、その中で「どうやったら自分らしいか」の研究を重ねた。最終的な理想形までに「あと1段階くらい」上げる必要があるという。

 鉄棒一本に絞って様々な変化も生まれた。6種目を取り組んでいた時に比べて「鉄棒のバネをうまく使えている。だから客観的に見て演技が少し大きくなった」と自己分析。また、体の痛みは「肩」から「腰」へシフト。

「腰痛は小学5年から痛いので約20年の付き合い。たぶん肩よりも爆弾を抱えていると思う」と言いつつも「怖さはあるけど対処法を知っている。ストレスはない」と、ここでも経験が生きている。

 今大会を皮切りに体操界は本格的に再開モードに入る。年末には全日本選手権もある。キングはその一つひとつの試合を「実験」と位置付けた。その発表の場が東京五輪だ。

「来年夏にあるであろう五輪で、実験データを1個にまとめられれば」。
オールラウンダーからスペシャリストへ。キングの体操人生「最終章」がいよいよ幕を開ける。