内村vs中国 水面下で情報戦

2012年06月30日 12時00分

 体操ニッポンのエース内村航平(23=コナミ)が体操大国・中国の〝対日感情〟を受けて立つ。ロンドン五輪では日中間でのシ烈なメダル争いが予想されている。このほど代表選手が決まった中国は本番に向け最終調整に入ったが、ここにきて日本への情報漏えいを異常警戒していることが判明。団体での打倒・日本を狙い、メディアの取材を一切禁止しているという。このため、内村も中国対策の演技構成で立ち向かう構えだ。

 

 中国体操チームのロンドン五輪指導者会議が19日に行われ、中国代表選手が決定。予想通りの代表メンバーだったからか、内村は「特に…。中国はどの選手でも強いので」と平然としている。ところが、中国サイドは違う。これから最終局面を迎えるため、日本に対して異常なほど警戒感を強めている。体操関係者が中国の内情を明かす。

 

「NHKをはじめ、日本のメディアが中国体操協会に取材申請したところ一切ダメだったんですよ。非常に過敏になっている。実は国内メディアですら取材を制限していて、情報漏えいに目を光らせているんです」

 

 日本体操協会が独自のルートを使って中国にメディアの受け入れを要請しても、許可は下りなかったという。では、ここまで神経をとがらせる理由は何か。

 

 別の体操関係者によれば「北京五輪の時は冨田洋之が警戒されましたが、冨田の場合、(北京五輪前の)世界選手権優勝は1度だけ。内村の場合は3連覇ですからね。中国としては内村が個人総合で金メダルをとるのは仕方がないにしても、団体まで渡すわけにはいかないと考えている。メンツの問題ですよ」

 

 それを裏付けるように中国のスポーツメディア「体壇網」は24日に「団体、種目別問わず、中国の脅威となるのは日本」としたうえで「天才・内村の登場で両国の差が接近した」と報じた。このためメンツを重んじる中国としては、「体操大国」の名にかけて何が何でも団体では日本に負けられない…という〝対日感情〟をメラメラと燃え上がらせているのだ。

 

 もちろん、内村も受けて立つ。都内で行われた公開練習では「団体しか考えていない。できることを精一杯やる」と中国に〝宣戦布告〟。団体最後の鉄棒のDスコア(難度点)を0・3点、床を0・2点上げた構成で臨むことを明かした。

 

 2004年アテネ五輪の団体はエース冨田率いる日本が金メダルを獲得。“内村ジャパン”は中国の露骨な鉄のカーテンを破り、再び「栄光への架け橋」をかけることができるか。