全日本シニア体操クラブ連盟は7日、群馬・高崎アリーナで開催する全日本シニア・マスターズ選手権(9月20~22日)の概要を発表した。

 今大会は男子個人総合五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)、リオ五輪男子団体金メダルの白井健三(23=日体大大学院)、村上茉愛(23=日体クラブ)らトップ選手がシニア(1部)に参戦。また、マスターズ(2部)では現役を退いた体操愛好家が多数参加し、最高齢81歳の男性やドイツからの選手も出場予定だ。女子では毎年参戦している内村の母・周子さん(58)も名を連ねており、総勢486人が参加する。

 新型コロナウイルス感染症の終息が見られぬ中で開催に踏み切った理由について、同連盟の塚原光男専務理事(72)は「役員の皆さんとどうするべきか?と話をしましたが、私の意見が強かった」と話した上で「我々は体操指導者として選手に競技をやる環境を確保する責任と義務がある。今後、第2波がくるかもしれない。どうなるかは誰も予想できない。でも、やれる可能性があるならやるべき。どんなことがあっても諦めずに努力することを体操競技から学んだ。やめちゃったらそれで終わり。やってみることで何かが生まれることがある」と熱弁した。

 開催にかじを切る一方でコロナ対策にも抜かりない。今大会はスポーツ庁、日本体操協会、会場となる高崎アリーナのガイドラインに添って新たな感染拡大防止対策が講じられた。中でも塚原氏が連呼したのが「体操ディスタンス」なる新ワードだ。お互いに両手を伸ばした距離を保つ対策で、会場で競技する選手はもちろん、観客やスタッフ、メディアにも大会中は「体操ディスタンス」が求められる。塚原氏は「体操界では常に両手間隔に開け!とやる。これは体操用語」といい、記者会見終了後に同席した奥主貞子事務局長と〝実演〟してみせた。

 他にもマスク着用や消毒、選手同士の握手や大声での会話の禁止などガイドラインは多岐にわたる。塚原氏はコロナの状況次第で「直前で中止になる場合もある」としているが、このガイドラインを徹底した上で何としても開催させる意向だ。