【どうなる?東京五輪・パラリンピック(55)】日本体操協会は理事会を開き、コロナ禍で中止となった全日本個人総合選手権(4月)を12月8~14日に高崎アリーナ(群馬)での開催を検討する方針を確認した。これにより、肩の故障で低迷している五輪2連覇中の内村航平(31=リンガーハット)の“復活ロード”が鮮明になってきた。

 NTCが使用解禁となった1日、内村は体操選手では利用者第1号として汗を流した。昨年4月の全日本選手権は予選敗退に終わり、常連だった世界選手権の代表から漏れる屈辱を味わった。肩は順調に回復し、実戦不足を補うために自らプロデュースした大会「KOHEI UCHIMURA CUP」(3月18日)で復帰戦を飾るはずだったが、コロナ禍で中止。五輪史上初の延期という多難まで降りかかった。

 しかし、今回の決定で視界は開けた。まず内村は7月に予定される強化合宿に参加。その後、開催が発表された9月22日の全日本シニア選手権(高崎アリーナ)を経て12月の全日本選手権に臨むとみられている。そこで昨年の借りを返して本来の姿を見せられれば「夢物語」と表現した東京五輪出場にグッと近づく。

 五輪代表選考について、体操協会幹部は「想定としては従来通り来年4~6月の全日本、NHK杯、種目別で決めたいと思っている」という。年内の2大会をステップに、五輪3連覇の「夢」をつなげていく。