【体操】村上茉愛が本紙に胸中激白 2020の青写真と心境の変化

2019年10月08日 16時30分

世界選手権に出場できなかった村上の胸中は…

 東京五輪後の引退を表明している体操ニッポンの女子エース、村上茉愛(23=日体大クラブ)が7日、開催中の世界選手権(ドイツ・シュツットガルト)で日本女子が団体で五輪出場枠を獲得したことを受け、その胸中を本紙に語った。ケガのため世界選手権に出場できず、現在はチームから離れて日本で調整中。盟友からのLINEで吉報を知ったエースは今、何を思うのか。知られざる心境の変化、集大成となる東京五輪の青写真は?

 6日の早朝、村上に1通のLINEが届いた。現地で奮闘する盟友・寺本明日香(23=ミキハウス)が「権利、取れたよ」と真っ先に知らせてくれたのだ。日本女子は予選11位ながら、昨年3位までの米国、ロシア、中国を除く上位9チームに入り、東京五輪の団体出場枠を獲得した。

「起きてニュースを確認しようとしたら、その前に明日香からのLINEで知りました。夜の時点で大丈夫だろうと安心して寝ましたが、改めてホッとしました。権利を取ってきてもらうのが私の一番の願いだったので、ホントに良かったです」(村上)

 すぐに「お疲れ様。頑張ってくれてありがとう」と返信し、その足で練習へ向かった。まだ自身の五輪出場が決まったわけではない。ここからは団体入りをかけた勝負が待っているからだ。

 この半年間は体操人生で初めて絶望を味わった。5月のNHK杯を腰痛のため棄権。世界選手権代表から外れ、涙を流して自分を責めた。その後に村上は「吹っ切れた」と語ったが、内心は違っていた。「強がっていた部分もある」と振り返る。自分が出ない世界選手権を直視できるか、複雑な感情も芽生えたが、仲間が取り払ってくれた。

「たぶん悔しいので世界選手権は見ないだろうって思っていたけど、始まったらやっぱり気になる。来年、自分が東京を狙うためにも権利が必要。応援したい気持ちに変わっていましたね」

 日本の演技が始まると公式サイトで得点をオンタイムでチェック。人づてに送られた現地の映像を見ながら、気づけば団体の一員のように心から応援していた。すっかりポジティブになった村上は「権利を獲得してくれて、もっとヤル気になりました」と笑った。

 心変わりはもう一つあった。当初、村上は「できれば床(運動)の種目別決勝(8月3日)に残り、メダルを取って引退!がいいですね」と語っていたが、日程上は種目別の平均台が最終日(同4日)。「大得意の床の着地で引退」というストーリーを描けないジレンマも、今は違う。

「平均台でも世界選手権で決勝に残ったことがあるし、メダルを取れる位置にはいる。今はすべての種目で決勝に残りたい。それが最高の終わり方だと思っています」

 まずは来春、全日本選手権とNHK杯で代表入りを狙う。戦う相手は、今回団体出場枠を取ってくれた仲間たちだ。