新エースになるための課題とは? 体操の世界選手権(10月、ドイツ・シュツットガルト)に出場する男子日本代表が18日、都内で試技会を公開。全日本選手権で個人総合2連覇の谷川翔(20=順大)は「動きが戻ってきた。ここから上げていきたい」と順調な調整ぶりをアピールした。

 今大会は、日本のエース内村航平(30=リンガーハット)が不在。4月の全日本選手権と5月のNHK杯の2冠を達成した谷川翔にエース級の活躍が期待されるが、修正点は山積みだ。

 本紙の取材に応じた日本協会の水鳥寿思男子強化本部長(39)は「きっちりとした体操ができているので、Eスコア(実施点)は取りやすい」とする一方で、「あん馬とか跳馬、鉄棒のカッシーナなどの技がいつでもできるという状態には、まだ届いていない。高いDスコア(演技価値点)の技を自分のものにしていく必要がある」。さらに、手首には慢性的な痛みを抱えていることから「体のケアをして、自分がいい状態と思う体をコンスタントにつくっていけるかどうか」と次々に課題を挙げた。

 この辛口評価は期待の裏返しでもある。水鳥氏は「これらを克服できれば、東京五輪での個人総合のメダルや団体での優勝も、かなり見えてくる」とハッパをかける。もちろん本人も、この現状を理解している。跳馬で高難度の「ロペス」に挑戦し「試合までに成功率を上げていければ」と好感触を得た。

 残りの期間で、どこまで進化できるか。新生体操ニッポンの将来は谷川翔にかかっている。