体操の五輪個人総合2連覇のエース・内村航平(30=リンガーハット)が26日、4月の全日本選手権で予選落ちして以来、初となる公開練習を都内で行った。

 全日本では「首から下は全部、痛い」と満身創痍の状態で臨み、結果は2回の落下。平行棒にヒジを打ちつけて苦痛に顔をゆがめるなど、右肩の状態が心配されていた。

 この日、平行棒で基本技の練習を繰り返した内村は「まだ痛みがある」としながらも、右肩は快方に向かっている様子。全日本後に複数の病院を訪れ、体操選手にとって致命的な「腱板損傷」も頭をよぎったというが、幸運にも予想は外れた。「想像していたよりだいぶマシでした。腱板をやっているかも…と思ったけど、運が良かった」

 それでも医師には「だいぶ無理してらっしゃいますね」と言われ「この期間にぜひ治しましょう」と順調に治療は進んだ。

 だが、数週間前には「ただものじゃない」と驚がくする治療を受けた。紹介された医師から、なんと両肩合計15本の注射を打たれたという。「硬くなった筋肉をはがす生理食塩水の注射なんですが、そんな打つ?ってくらいメッチャ打たれた。結構、軽いノリで(笑い)。でも、それですごい動きが良くなったんですよ」

 15本の注射の効果はてきめん。何より治療を語るキングの笑顔が、復活への道筋を感じさせた。