体操ニッポン「村上問題」で大紛糾!

2019年06月08日 16時32分

 パワハラ騒動の次は「村上問題」で大モメだ。日本体操協会は8日、都内で理事会を開催し、東京五輪の女子団体出場枠がかかる今秋の世界選手権(10月、ドイツ・シュツットガルト)の代表選手について、昨年の世界選手権銀メダル・村上茉愛(22=日体大クラブ)に権利を与えるか否かで大紛糾。最終的に救済措置は却下され、二転三転した末に代表入りの可能性は消滅した。

 村上は世界選手権の選考会を兼ねた5月のNHK杯を両仙腸関節症のため直前になって棄権。世界選手権出場枠の規定に「NHK杯個人12位」とあるため代表は絶望とみられ、村上は涙を流して「1年間、終わったなという感じ」と出場を諦めていた。だが、その後の女子強化本部内では村上を出場させたいと願う意見が出されたといい、この日の理事会で田中光女子強化本部長(46)は「東京五輪で女子団体枠を取るためにどうしても村上選手が必要」と強く訴えた。これが号砲となり、規則の解釈を巡る大激論が交わされた。

 そもそも世界選手権の代表選考基準はすでに公開され、日本協会のホームページでも閲覧できる。それによると、まず全日本選手権(4月)の予選、決勝とNHK杯の合計点の上位4人が条件。村上はNHK杯を棄権しているため、これには該当しない。問題は2つ目の条件「種目別スペシャリストで1名選出」だ。これには次の2つの基準が明記されている。

(1)選出の代表選手との組合せで最高チーム得点となり2種目以上でベスト3に入っていること
(2)選出基準で12位以内に入っていること(ナショナル強化選手)

 今回、混乱を招いた元凶は「2」の文言だ。村上は「12位以内」ではないため、本人も周囲も一度は絶望と認識したが、文末に「ナショナル強化選手」と注釈があるのが状況をややこしくしてしまった。

 この議論の直前に、村上はナショナル強化選手の推薦が承認されたため「12位に入っていなくてもナショナル強化選手であれば条件を満たすのでは」との意見も出たが、各理事からは「解釈を広げるのはいかがなものか」「後付けはダメ。チームの結束を乱す」「ルールを変えるのはおかしい」との厳しい意見が噴出。その一方で「解釈を広げなくても普通にナショナル強化選手であればOKと受け取れる」との見解も出た。

 意見がまとまらず、約1時間半も村上問題に費やす異例の事態となったが、最後に田中本部長は「種目別選手権の村上選手の結果を見て決められないか?」と、現在の村上の持ち点をチャラにして6月の全日本種目別選手権(群馬・高崎アリーナ)で最終決定させる特例の提案をしたところ、反対の理事が上回って否決。すったもんだの揚げ句、村上の代表入りは正式に消えた。

 最終的に“救済措置”は容認しないという結論に至ったが、今後は同じ騒動を起こさないためにも誰の目にも明確に判断できる明文化が必要だろう。