体操の全日本選手権の男子個人総合決勝戦が28日、群馬・高崎アリーナで行われ、昨年覇者の谷川翔(20=順大)が予選(85・566点)、決勝(84・699点)の合計170・265点で2連覇を達成した。今大会と5月のNHK杯の成績上位3人が10月の世界選手権(ドイツ・シュツットガルト)の個人総合の出場権を得るため、谷川は初の世界選手権代表入りに大きく近づいた。

 2連覇達成について「去年は意味が分からないままの優勝。今年は狙いにいって優勝できた。優勝するのが当たり前と思えるくらい成長している」と満足げ。また、今大会は五輪2連覇の絶対エース・内村航平(30=リンガーハット)がまさかの予選落ち。白井健三(22=日体大大学院)は決勝30人中30位という“荒れた大会”となった。

 実力者がミスを連発した現状に「周りが失敗していると自分も大丈夫かなって心配になるが、気持ちが楽にならなくもない」としながらも「周りがみんな成功し、実力を出し切った中でチャンピオンになった方が気持ちいい」と心境を語った。

「体操天皇杯」と名のつく平成最後の大会について「(開幕前は)実際どうでもいいと思っていた」と言いつつも「結果的になれたのでうれしい」と笑った。さらに“報道陣向け”に「NHK杯では令和最初のチャンピオンに…って言うと書きやすいですよね?」とニヤリ。まさしく新時代の王者像を感じさせるリップサービスだった。