内村ショックの余波が収まらない。10月の世界選手権(ドイツ・シュツットガルト)の代表選考会を兼ねた全日本選手権(群馬・高崎アリーナ)の男子個人総合で、まさかの予選落ちとなった五輪2連覇の内村航平(30=リンガーハット)。失意から一夜明けた27日は種目別トライアルが行われたが、試合に出場した選手から内村へ多数のエールが送られた。

 内村と同学年でリオ五輪団体の金メダルメンバー・山室光史(30=コナミ)は「試合を見てなかったけど、あまり状態は良くないとは聞いていた。正直ビックリしている」と感想を述べつつ、戦友らしくこう語った。

「ちょっとヤサぐれてるかもしれないですけど、落ちるところまで落ちたら上がるしかない。これまで下を経験してなかった選手なので、今までになく必死になる内村航平っていうのも見てみたい」

 山室自身もリオ五輪後にケガで苦しみ、今まさに這い上がろうとしている。「アイツもようやく同じところに来たなって感じ(笑い)」。ジョークを交え、苦楽をともにした者ならではのメッセージを送った。

 同じく同学年の亀山耕平(30=徳洲会)は「レジェンドですからね。彼は6種目やってますから、僕よりもさらに準備が難しい。その中で期待されているのは相当のプレッシャーだし、すごい大変なこと。すごいなって」としみじみと語った

 なお、個人総合の決勝進出を逃した内村は種目別「ゆか」での決勝出場の権利はあったが、左腕負傷のため棄権届をこの日に提出。また、種目別トライアルの結果を受けて内村の個人総合最終順位は40位に確定した。