これが採点競技者の宿命なのか。体操ニッポンのエース・内村航平(30=リンガーハット)が28日、都内のイベントで2020年東京五輪について「一生に1回、自分が生まれた国でできる喜びがある。人生を懸けて戦いたい」と宣言。並々ならぬ決意表明とともに、意外な“体操あるある”を明かした。

 誰よりも「美」にこだわる内村は「体操場では歩くときから少しヒザを入れたりしている」と強いプロ意識を持つが、その姿勢は私生活でも変わらないという。

「無意識のうちに家でもやっている。普通に脚を上げるときも、ムダにピン!って伸ばしたり…。まあ職業病ですね」

 時には他人に対しても厳しい目を向ける。「駅のホームで電車を待っている時、前の人を見て『あー、ヒザとヒザがくっついてないなぁ』とか。そういう目で見ちゃう」。そう苦笑する内村だが、自信を深めた出来事があった。

 他競技との交流をテーマに行った1月の合宿。参加していた新体操の山崎浩子強化部長(59)から「普段のどうでもいい動作から美しさを心掛けている人はいますか?」と質問されると、間髪を入れず挙手。演技についても「やっぱり美しいですよ」と、元日本女王からお褒めの言葉を頂いたという。

「そこは自信ある。エレガンス賞を3回も取っているので。変わらず追求していこうって思いましたね」

 そう誇らしげに語っていた時の姿勢もまた、高得点が出そうなほど美しかった。今や、内村が掲げてきた「美しい体操」は日本だけでなく、世界のライバルたちにも浸透。勝負という面では厳しさを増しているが、競技を発展させた功績の大きさはやはり計り知れない。