
体操男子で日本と中国のトップ選手による合同合宿が13日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで公開された。1月末に北京で合同合宿が行われ、11日から日本が迎え入れる形で実施。東京五輪金メダルを争うライバル同士が“呉越同舟”する異例の合宿となった。
中国勢を最も脅威に感じたのはエースの内村航平(30=リンガーハット)だ。2日目の練習を終えて「改めて人生、命をかけて体操をやっている人たちだと感じた。何を取っても刺激しかない。基本的な動きを何回も繰り返すところはジュニアの選手に見てほしい」と話し、積極的にライバルたちを視察した。
特に内村が注目したのは世界選手権で平行棒2連覇中の鄒敬園(21)。その演技に心を奪われたという。「練習中の目、一本にかける集中力がすさまじい。今度、誰もまねできない演技構成をやっているし、もう二度と出てこない逸材。すご過ぎて参考にならない。規格外です」と舌を巻いた。
合宿は16日まで。エースは「日本の体操界の未来を考えると相当、意味のある合宿」と語ったが、収穫以上に中国のすごみが浮き彫りとなった。五輪本番でおじけづかないことを祈りたい。