体操男子のエース・内村航平(29=リンガーハット)が世界選手権(10~11月、カタール・ドーハ)代表入りを手中に収める。

 4月の全日本選手権を3位で折り返し、NHK杯(男子=20日、東京体育館)で逆転を狙う。個人総合の2枠をめぐり、首位で0・832点差の谷川翔(19=順大)、2位で0・500点差の白井健三(21=日体大)を追うが、18日の会見では「0・5は巻き返せる。ミスなくやれば、代表圏内には入れるかなと思います」と話し、白井を上回っての代表権獲得に自信を示した。

 そうした中、体操関係者はたとえ内村が2位以内に入れなくても代表5人のメンバーに入ることは確実と見ている。個人総合以外の代表はNHK杯5位以内から1人、12位以内から1人などが条件。さらに個人総合代表2人との組み合わせで日本チームとして総合的に貢献できることが決め手になり、この点で内村が優位に立つという。内村は全日本の決勝だけなら6種目合計で1位と内容を揃え、評価を高めた。

 また、3番手以下に選ばれても世界選手権の予選では個別に全種目に出場するチャンスも残す。その場合、個人総合代表と同じ扱いで得点が個人総合代表2人を上回れば「日本はチーム至上主義。内村が決勝に進む可能性もある」(関係者)。世界選手権出場を東京五輪へのステップと位置づける内村の目的はよほどの失敗がない限り、達成されそうだ。