【マスターズ】松山 弱気発言連発する怪物の本音

2018年04月05日 11時00分

グリーン周りの調整を入念に行った松山(ロイター)

【ジョージア州オーガスタ3日(日本時間4日)発:2018マスターズ 松山英樹メジャー制覇への道】5日開幕の今季メジャー初戦「マスターズ」(オーガスタナショナルGC=パー72)を前に松山英樹(26=LEXUS)が取材に応じ「調子は最悪。期待はゼロです」と超弱気な発言を連発した。ただし、言葉とは裏腹に表情は晴れやか。これまでも、自ら好調と口にすることはほとんどなかっただけに、怪物の本音はどこにあるのか――。

 松山は東北福祉大の先輩、宮里優作(37)とともに午前8時10分、1番ホールから練習ラウンドをスタート。ショットは序盤からまとまらず、18ホールを通じて、フィニッシュでクラブから手を離すシーンやパー3を含めて、ティーショットを打ち直す場面が目立った。

 グリーン周りのアプローチをピタリと寄せて、パトロンの歓声を浴びる場面もあったが、松山にとっては不本意な内容。ラウンド後は「調子は最悪ですね。(悪いのは)全部です。今日はただ回ってきたという感じ」と前向きな言葉が出てこない。その後は笑みを浮かべつつも「期待はゼロです。(調子は)昨年より悪い感じがしますね。頼りになるものがないので困ってます」と続けた。

 とはいえ、練習ラウンドで調子が上がってこないのも、弱気とも取れる言葉を繰り返すのも、いつものこと。松山のマスターズでのプレーを解説し、ラウンドリポーターとして常に見守ってきた芹沢信雄(58=TSIグルーヴ&スポーツ)は「松山は練習ラウンドと本番では別人。試合になるとアイアンも1番手以上飛ぶ。試合中“まさか8番じゃないよな”と思っていると本当に8番で打っていたりして、練習ラウンドのプレーがなかなか参考にならない」と証言する。

 試合前から「調子がいい」と口にすることもまずない。マスターズでは自己最高の5位だった2015年、7位だった16年ともに開幕前は「調子は普通」とコメント。11位だった昨年も「(一時の好調から)だいぶ落ちてます」と話していた。

 さらにこれまで最もメジャー制覇に近づいた昨年の「全米プロ」(5位)でも直前の段階では「調子は逆戻りしている」。当時は前週の世界選手権シリーズ「ブリヂストン招待」を5打差の圧勝劇で乗り込んできたにもかかわらず、不調を訴えていた。

 言ってみれば、ここまでは気負わず、慌てずの平常運転。むしろ明るい表情は、修正部分がハッキリしていて上昇の可能性を感じていることの表れ。真価を発揮するのは試合が始まってからだろう。

 松山は昨年8月、すでに結婚しており、第1子が誕生したことを公表。今大会には妻・芽緯さん(24)と8か月の長女・叶夏ちゃんが初めて観戦に訪れている。「家族がいてリラックスできている?」との問いには「それは関係ない」とかわしたが、モチベーションは高まっているはずだ。

 予選ラウンドは今季米ツアー2勝と好調のパットン・カザイア(32=米国)と世界ランク13位のポール・ケーシー(40=英国)とのラウンド。初日は午前10時9分(日本時間午後11時9分)にスタートする。ともに実力者ではあるが、大ギャラリーを引き連れるような超人気選手ではなく、自分のプレーに集中しやすいペアリングといえる。

 日本でテレビ中継するTBSのインタビューでは「ティーショットが戻ってくればマスターズで勝っても不思議ではない」とも語っている。不安をプラスに変える。メジャー初制覇を目指す松山には、そんな力が備わっている。

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