【ジョージア州オーガスタ2日(日本時間3日)発】今季男子ゴルフのメジャー初戦「マスターズ」(オーガスタナショナルGC=パー72)にタイガー・ウッズ(42=米国)が帰ってきた。練習ラウンドにもかかわらず、3年ぶりの出場となるスーパースターの姿にパトロンは熱狂。大歓声に応えるようにウッズも早速、スーパープレーを披露した。優勝候補にも挙げられ、完全復活は目前に迫っている。

 午後2時、おなじみの虎のヘッドカバーの1Wが刺さったキャディーバッグが用意されると、本人の姿はなくても、練習場には異様な空気が漂った。それから約15分、ピンクのシャツにグレーのパンツでウッズが姿を見せると、いきなりの大歓声。タイガーコールのなか、2014年米ツアー年間王者のビリー・ホーシェル(31=米国)、世界ランク2位のジャスティン・トーマス(24=同)と握手を交わした。

 ジョン・ラーム(23=スペイン)、ジャスティン・ローズ(37=英国)、さらに松山英樹(26=LEXUS)にも声を掛け、フレッド・カプルス(58=米国)とハグ。ようやくバッグが置かれた打席にたどり着いた。

 ウッズ、トーマス、カプルスという本番でも見られないような豪華なペアリングに観客は異様な盛り上がり。そんな中、1番パー4の第1打は1Wでフェアウエー左サイドへ。右のバンカーに入れた若き飛ばし屋・トーマスをいきなりオーバードライブし、衰え知らずのパワーを見せつけた。

 さらに2番パー5ではグリーン奥から約20ヤードのアプローチをチップイン。1Wで右のバンカーに入れた第1打をピックアップし、ティーショットで3Wを使用した場合を想定したポジションからプレーを再開したとはいえ、事実上のチップインイーグルにパトロンの興奮は収まらない。その後もティーショットがことごとくフェアウエーをとらえ、十分に復活を印象づける内容で9ホールのプレーを終えた。

 にこやかな表情で軽く右手を上げて大歓声に応える姿は、まさに千両役者。現在の世界ランクが103位であろうと、コース外でトラブルがあろうと、大会の主役、ゴルフ界の中心はやはりウッズを置いて他にいないことを改めて証明した。

 ここ数年は腰のケガに悩まされ、ほとんどプレーしていなかったが、1月からツアーに本格復帰。ここ2試合は「バルスパー選手権」で2位、「アーノルド・パーマー招待」で5位と完全復活を期待させるV争いを演じている。ブックメーカー大手「bet365」の優勝オッズは5番手の13倍。1番人気のローリー・マキロイ、ジョーダン・スピースが11倍というのを見て、ウッズはすでに本命の一人と言っても間違いない。

 この熱狂は最終日の18番まで続くのか。まずは3日午後1時(日本時間4日午前2時)から予定されている公式会見で何を語るのかに注目だ。