米ツアーの出場権を失った石川遼(26=CASIO)が5日、「来季は日本で全試合に出たいと思っている」と6年ぶりに日本ツアーを主戦場とする考えを明かした。

 この日、千葉県内でスポンサーや関係者を集めたコンペを開催した石川はラウンド後のあいさつで自らの意思を表明。さらに集まった報道陣に「行ったり来たりで両方、中途半端になるのが嫌だった」と説明し、米下部ツアーにシーズンを通して参戦する考えはないという。

 米ツアーでシード争いを繰り返した5年間を振り返り「勝てると思って試合をしたことがなかった。通用しなかった」。今後は日本で態勢を立て直し「通用する力をつけて、(松山)英樹のように勝つか負けるかという状態で戻りたい」と数年後の米ツアー復帰を目指す。

 現状では米ツアーで通用しないと感じたのは“遊び心”の差だった。「メジャーの舞台でも勝つ人は『オレはこんなボールも打てるんだぜ』と遊び心がある。日本では自分もそれができた時期があったが、米ツアーでは『真っすぐ打ちたい』というだけだった」。得意のショートゲームでも「グリーンを外したら、どうやってパーを取るかではなく、ダブルボギーにしない方法を考えていた」と遊ぶ余裕を感じたことはなかったという。

 今年最後の試合となった先月末の「カシオワールドオープン」では2位となったが「いっぱいいっぱいで遊び心なんていう状態ではなかった」と振り返った。今後は来年4月の国内開幕を見据えて調整。3月までは調整状況に合わせてアジアで開催の日本ツアー「シンガポールオープン」、「ミャンマーオープン」の出場も検討する。