次回は2億3000万円だ! 賞金総額2億1000万円、優勝賞金5000万円ともに国内最高額を争った「ISPSハンダマッチプレー選手権」(千葉・浜野ゴルフクラブ)は、8月1日の1回戦からのべ7日間の激闘を制した片山晋呉(イーグルポイントGC)が優勝し、今季初勝利を挙げた。今回、日本ゴルフツアー機構(JGTO)公式戦として14年ぶりにマッチプレーを復活させた国際スポーツ振興協会(ISPS)の半田晴久会長は、来季のISPS主催大会の賞金総額を2億3000万円に増額することを明言した。

 片山の完勝を振り返った半田会長は「晋呉さん、おめでとうございます。国内のマッチプレーでは最高齢(44歳)優勝になるそうです。素晴らしい熱戦でした」と勝者をたたえた。

 JGTO公式戦で14年ぶりにマッチプレーを復活させた同会長は、その意図を「世界に通用するゴルファーを育てるためには、本当の勝負強さが必要です。それには1対1の真剣勝負を経験することが絶対に必要です」と説明した。その際、長い間マッチプレーが公式戦にならなかった理由についても「マッチプレーがテレビ放送枠にはまらないからです。いつ終わるか分からない、途中で終わるかもしれない。それが一番の理由だったそうです」と話していた。

「では、どうすればゴルフ界が活性化するか?、日本人ゴルファーが強くなるか?を考えた結果、やはりマッチプレーの真剣勝負が必要という結論にいき着きました。観客ゼロ、テレビ中継がなくても結構、メディアは新聞だけ。腹をくくってやったのが、今回のマッチプレーです」と胸を張った。

 リスクを承知で決行した結果は大成功!! 優勝賞金5000万円を目指して104人のゴルファーが持てる技術を最大限にぶつけ合い、激戦を戦い抜いた片山は“芝生の武士(もののふ)”にふさわしい威容でギャラリーを沸かせた。

 そして、来季のISPS主催大会は、よりパワーアップする。

 半田会長は「来年は(賞金総額は)2億3000万円です!」と明言。マッチプレー方式を継続し「ここ一番でパットを決められる、本当に勝負強い日本人ゴルファーを育てるお手伝いをしたいです」と、さらなるゴルフ界への貢献に力を込めた。

【ホストプロ谷原 パッティング嘆く】ホストプロとして優勝を期待されていた谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)は、4回戦でH・W・リュー(35=韓国)に1ダウンで敗れ、大会4日目で姿を消した。16、17番を取って最終ホールまで勝負をもつれさせる意地を見せたが、及ばなかった。「今日もパターが入りませんでした。ショットはまあまあな感じなんだけど…」と得意のパッティングの不調を嘆いた。

【高山3位の裏に“ジャンボの極意”】高山忠洋(39=スターツ)が3位に入ったのは、“レジェンド”のおかげだった。「マッチプレーはショットがうまい選手が勝つと思っていたけど(ゲスト参加したプロアマ戦の表彰式で)ジャンボさん(尾崎将司)が『パットをいやらしく入れるやつが勝つ』と言ったのを聞いて考え方が変わりました。あの言葉でここまでこれたと思います」と感謝しきりだった。

【尾崎将「勝つのは青木さんのような性格の悪い人」】5日に行われたプロアマ大会では、ISPSインターナショナルアンバサダーの尾崎将司、ミスユニバース2017日本代表の阿部桃子、SKE48のメンバーの山内鈴蘭らが参加し、大会に花を添えた。

 ラウンド後のパーティーで乾杯の音頭を取った青木功JGTO会長は、肩痛で参加を見送ったことに触れ「久々にジャンボと回れると思っていたんですが残念。来年こそは一緒に、なぁジャンボ」とあいさつ。「ストロークプレーもマッチプレーも両方勝てるのが、本当の強さです」と3回戦に進出した選手たちに檄を飛ばしていた。

 一方、青木会長の誘いを「来年はいないから」と一蹴?した尾崎は「マッチプレーに勝つ人間は性格が悪い。その代表がAO(青木?)さんです」と暴露し、「本当に強い人は相手の嫌がることができるってことです。それはパッティングですね」と話し、爆笑を誘った。

 尾崎、半田会長と同組でラウンドした阿部は「尾崎さん、半田会長とのラウンドということで、昨晩から眠れないほど緊張しました」と初々しい感想。また、地元・千葉県出身でベストスコア80の山内が見せた本気過ぎるスイングを、片山晋呉がインスタグラムで紹介するなど噂通りの腕前を披露した。

★市原市他に500万円チャリティー贈呈=スポーツによる社会貢献を掲げるISPSは、日本ゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構(JGTO)、日本ブラインドゴルフ振興協会、日本高等学校ゴルフ連盟、今大会の会場となった浜野ゴルフクラブのある千葉県市原市に合計500万円をチャリティーとして贈呈した。今大会のチャリティーはJGTOのジュニア育成基金、市原市のスポーツ振興などに活用される。

★毎週金曜「BS11」で放送=今大会の模様は、10月6日から11月10日にかけて、毎週金曜日の午後8時〜8時54分に日本BS放送「BS11」で放送される。放送内容はマッチプレー競技としては、過去最多の全106マッチを厳選。勝負の分かれ目となったホール、ショットなど、通常のゴルフ中継とはひと味違う切り口で、熱戦の模様を楽しむことができる。