【ノースカロライナ州シャーロット10日(日本時間11日)発】今季のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」初日(クウェイルホローC=パー71)、メジャー初制覇の期待がかかる松山英樹(25=LEXUS)は70のラウンドで、首位と3打差の1アンダー、15位スタート。3連続バーディーあり、3連続ボギーありと出入りの激しい内容ながらも、しっかり好位置につけた。首位はトービヨン・オルセン(27=デンマーク)とケビン・キズナー(33=米国)で4アンダー。 

「前半の感じだったら、もう少し伸ばしたかったけど、後半のあの感じだったらアンダー(パー)で良かった」。ラウンド後の松山の言葉が山あり谷ありのラウンドを物語っていた。

 序盤はまさにロケットスタート。10番パー5では奥から15メートルのバーディーパットを、先週から使用しているマレット型パターで放り込む。この日のスタートは午前7時45分。松山は「あれで目が覚めました」と振り返ったが、ギャラリーにとっても目が覚めるバーディーだった。

 続く11番パー4では先に奥から打ったアーニー・エルス(47=南アフリカ)のバーディーパットが下り傾斜に乗ってカップを大きくオーバー。これを見て「完全に目が覚めました」。続く松山は同じく奥からの3メートルを絶妙なタッチで沈めて、連続バーディー発進だ。

 12番パー4でティーショットを右ラフに入れ、1つ落として迎えた15番パー5で再びギャラリーの度肝を抜く。残り270ヤードからの第2打は3Wでピン手前1・5メートルのスーパーショット。イーグルパットはカップに嫌われたが、楽々とバーディーを奪った。

 しかし、18番パー4をボギーとして折り返した後半は流れが一変する。3番パー4で3つ目のボギーを叩くと、続く4番パー3は1メートルのパーパットが蹴られて3パットのボギー。「調子は良くなかったので、いつか外すと思っていた」。さらに5番パー4は“お先”の1メートルを外し、連続3パットで3連続ボギーと大きく後退した。

 とはいえ、このまま終わらないのが今の松山。7番パー5で「お先を外しているので慎重になった」と1メートルのバーディーパットを沈めると、8番パー4では4メートルを沈めて連続バーディー。最終9番パー4はスタートの10番を再現するかのように奥からの15メートルをジャストタッチで決めて、3連続バーディーで締めくくった。

「最後はラインが分からず、自分の読みとは逆のラインで入った。(キャディーの進藤)大典さんさまさまです」。アンダーパーでのフィニッシュは十分にV圏。「いいショットはほとんどなかった」と調子が上がらない中でも、スコアはしっかりまとめた。

 世界選手権シリーズ2勝目を飾った先週の初日は7バーディー、6ボギーのラウンドを自ら「なかなか珍しいゴルフ」と表現したが、この日も6バーディー、5ボギーと似たようなスコア。早くも最終日にコースレコードタイの快進撃で豪快にまくった先週の再現を予感させる。

 2日目に向けての課題は「寝てから考えます」と早朝からのプレーにちょっぴりお疲れモードの松山だったが、日本人男子初のメジャー制覇へ、期待は高まるばかりだ。