米女子ツアーの今季メジャー第2戦「全米女子プロ選手権」(イリノイ州オリンピアフィールズCC)は29日、開幕する。宮里藍(32=サントリー)にとっては、先月26日に今季限りでの引退を表明してから初めてのメジャー大会。どんな戦いをするか、注目される。

 会場のオリンピアフィールズCCは1915年開場の歴史あるコース。女子のメジャーが開催されるのは初めてだが、過去2回の男子メジャーでの優勝者を見ると、藍には“心強い”データが浮かび上がってくる。

 同CC最初のメジャーは61年の「全米プロ」だった。ここで勝ったのは身長166センチのジェリー・バーバー(故人)という選手で、この時は45歳。最終日、首位と4打差がついていた残り3ホールで6メートル、12メートル、18メートルのパットを決めるという信じ難いプレーで追いつき、翌日のプレーオフを制した。平均飛距離などのデータが残っていない時代だが、しぶといプレーでメジャータイトルをものにしたことは間違いない。

 2003年の「全米オープン」で勝ったのは当時33歳のジム・フューリク(米国)。この年の平均飛距離281・3ヤードは131位と飛ばし屋ではないが、正確性を武器にメジャー覇者となった。

 ちなみに藍の今季の平均飛距離は244・07ヤード。出場が6試合と少ないため部門別ランクの対象外となっているが、133位に相当と、03年のフューリクとほぼ一致するポジションだ。

 バーバーもフューリクもこの勝利がメジャー初V。藍は「最後までチャレンジする。チャレンジ精神の豊富さは多分、誰よりもあると思う。結果を残したい」と気合を入れる。小柄で飛ばなくても初のビッグタイトルを手にした先人たちに続きたいところだ。