勝利の女神はほほ笑むか。ゴルフの国内女子ツアー「ニチレイレディス」初日(16日、千葉・袖ヶ浦CC新袖C=パー72)、香妻琴乃(25=サマンサタバサ)が68で回って2位と好発進。8アンダーで首位の山田成美(27=GOLF5)と4打差の好位置につけたが、美人プロをめぐってスタート前から会場はドタバタだった。

 シード権を持たない香妻は今大会も当初は出場権がなく、ウエーティングの1番手。大会初日に欠場者が出て繰り上がりが発生するのは10試合に1回程度ということもあり、香妻も「出られないだろうな」と思ってコースに来たという。

 そんな中、背中痛で菊地絵理香(28=オンワードHD)が出場をキャンセル。香妻に出場権が転がり込んできたのは、スタート1時間半前のことだった。だが、菊地が欠場を届け出た時に、肝心の香妻は所在不明。ツアー側は慌てて捜し始め、直前に香妻とすれ違ったという関係者の証言を得て、駐車場の車内にいた香妻に繰り上がりを告げることができた。

 とはいえ「当日繰り上がりの選手は心の準備ができてないので、だいたい大叩きする」(関係者)というジンクスがあるのもゴルフの世界。だが香妻は余裕のプレーを見せた。10番パー5ではバンカーからの3打目を沈めてイーグル奪取。一気にリーダーボードを駆け上がり、今季自己最高順位となる2位につけた。

 不調だったパット改善のきっかけを水曜日につかんだため「出場できなかったら他のコースでラウンドするつもりだった」にもかかわらず、堂々のV争い。2011年のプロテスト合格後は順調に結果も残し、初優勝も目前のところまできていたが、不振に陥った昨年は賞金ランク52位でシード権を喪失した。今季は出場試合が限られているだけに、このチャンスを生かしたいところだ。