【ウィスコンシン州エリン15日(日本時間16日)発】男子ゴルフのメジャー第2戦「全米オープン」初日(エリンヒルズGC=パー72)、メジャー初制覇の期待がかかる松山英樹(25=LEXUS)は74のラウンドで2オーバーの82位と出遅れた。前半で会心のイーグルを奪ったものの、バーディーはなし。残る3日間で巻き返しを図る。松山と同組のリッキー・ファウラー(28=米国)が7アンダーで首位発進した。

 15番パー4、残り103ヤードからの松山の第2打はピンの左奥に着弾すると、バックスピンと傾斜でカップに吸い寄せられた。最後は勢いよくカップイン。両手を上げて喜びを表現した松山は進藤大典キャディー(36)、さらに同組のジョン・ラーム(22=スペイン)、ファウラーと次々にハイタッチを交わした。

 これこそ、世界でも屈指のアイアンショットの精度を誇る松山の真骨頂。直前の14番パー5では3打目をグリーン奥のフェスキューに打ち込み、ボギー先行となったが、あっという間に1アンダーとスコアを伸ばした。

 しかし、これで一気にエンジン全開とはいかせてもらえないのが、メジャーの中でも厳しいセッティングが施される全米オープン。17番パー4ではグリーン奥からのアプローチを寄せ切れず、この日2つ目のボギーを叩き、イーブンパーでの折り返しとなった。

 今季は昨年10月の開幕から絶好調。年が明けて2月の「フェニックスオープン」で自身初のシーズン2勝目を手にしたものの、その後は8試合続けてトップ10を外すなど、調子を落としている。

 練習日には「(2週前の)メモリアルよりはいい状態」と復調の手応えを口にしていたが、このところの嫌な流れまでは変えられない。

 後半は3番パー4で2・5メートルのパーパットがカップに嫌われ、ボギー先行。さらに8番パー4でもスコアを落とすと、最終9番パー3では1・5メートルのバーディーチャンスを生かせず、2オーバーでのフィニッシュとなった。

 目の前でファウラーの快進撃を見せつけられ「ずいぶん差がついてしまった」と嘆いたが「あと3日あるので、まだまだ上位は狙える」。ナンバーワンのダスティン・ジョンソン(32=米国)が3オーバーと出遅れるなど、松山を含め、世界ランク6位までが初日は揃ってオーバーパー。ここから誰がスコアを伸ばし、誰が難コースに苦しめられるのかは全く分からない展開だ。

「チャンスはほとんど作れなかったし、パットも入らなかった。すべてが良くなかった」と初日は苦しむ側に回った松山だが、反撃のチャンスは十分に残されている。