国内女子ゴルフツアー「サントリーレディス」3日目(10日、兵庫・六甲国際GC=パー72)、50位からスタートした宮里藍(31=サントリー)は2バーディー、1ボギーの71で回り、通算1アンダーとして順位を33位まで上げた。首位は通算14アンダーのキム・ハヌル(28=韓国)だった。

 前日は一時カットライン(60位タイまで)を下回り、ファンや関係者をやきもきさせたが、この日は朝イチから気合がみなぎったプレーを披露した。

 1番パー5はカラーからの3メートルを決めてバーディー発進。いかにも藍らしい、転がりのいいボールをカップに沈めるバーディーだった。

 2番パー4は2打目をグリーン手前のバンカーに入れたものの、これは左サイドのピンを果敢に攻めたもので、調子の良さを感じさせる。

 だが4番パー5で下りの短いバーディーチャンスを決め切れなかったあたりから、フィニッシュで片手を離すシーンが目立つようになる。

 6番パー3ではバンカーショットを5メートルもオーバーさせてボギー。10番もフェアウェーからグリーンをショートして何とかパーセーブと、耐える展開が続いた。

 パーを重ね続けたのが報われたのは14番だった。3メートルのバーディーパットを沈めると右手でガッツポーズ。その表情には気合がみなぎっていた。

 だが、その後もできれば入れたい3~5メートルほどが決めきれない。「ドライバーはいい感じで振れてるけど、アイアンショットの出来が30~40点ぐらい」でベタピンのチャンスも作ることができなかった。

 今大会も残るは一日となったが、藍はあくまでどん欲だ。「明日は60台で回りたい」と言っていたのが、ホールアウト後には「できればトップ10で終わりたい」。そして「今は『勝ちたい』という気持ちがすごく強い」へと変化した。

 今季限りでの引退を表明し、2003年のプロ転向から所属契約を結び続けているサントリーの主催大会は、泣いても笑っても11日が最後。それでも感傷的にはならず、あくまでもプロゴルファーとして勝ちにいくプレーを見せる。