国内女子ツアー「サントリーレディス」初日(8日、兵庫・六甲国際GC=パー72)、先月26日に今シーズン限りでの引退を発表してから初めての試合出場となる宮里藍(31=サントリー)は3バーディー、1ボギーの70、22位で発進した。首位は7アンダーの辻梨恵(23=大和証券)。

 この日の藍のスタートは午前8時24分。時おり強い雨が降っていたにもかかわらず、約2000人のギャラリーがつめかけた。

 ホールアウトした午後1時には6555人に。最終ホールの9番はグリーンサイドを人が埋めつくす状況には藍も「日曜日にしか見たことない景色が見られた。たくさんの方が来てくれて、ありがたいこと」と笑顔を見せた。

 いよいよ幕を開けた「最終章」。前日には「感情的になってしまうと、自分のゲームができなくなってしまうかもしれない」との不安を抱いていた。

 だが、スタートすると淡々と自分のプレーをこなした。2ホール目の11番パー3ではバンカーからの2打目がオーバーしてボギー先行。同組の上田桃子(30=かんぽ生命)、アマチュアの高橋彩華(18)と合わせて、16番までは誰もバーディーを奪えず、どこか重苦しい雰囲気になった。

 だが「そろそろエンジンかけないと」(藍)と臨んだ17番パー5は6メートルを沈めて初バーディー。2番は奥から5メートル。5番では2メートルのフックラインを読み切って、3つ目のバーディー。「たくさんバーディーをとって、ガッツポーズできたらいいな」との決意で臨んだラウンド。パットを沈めた時のガッツポーズは、全盛期をほうふつとさせる姿だった。

 ラウンド後の会見では「ショットの距離感がまちまちだったので、それを明日までに修正したい」との課題を挙げた。

 週末まであと3日。「自分のできること、目の前の一打一打を積み重ねていくだけ。集中して、エネルギーを効率よく使うようにしたい」(藍)。
 この日午後1時には、土日の前売り券の販売も打ち切りとなった(当日券は販売)。

 好位置で初日を終え、週末にかけてますますヒートアップしそうだ。