男子ゴルフの元世界ランキング1位で腰痛のため戦列を離れているタイガー・ウッズ(41=米国)が現地時間29日早朝、自宅のあるフロリダ州ジュピターで飲酒または薬物を使用した状態で車を運転した疑いで身柄を拘束された。手術からの復帰が期待される中、ゴルフ界のスーパースターに何が起こったのか。

 米各メディアによると、ウッズは29日朝3時ごろ、ジュピター近郊で交通違反取り締まり中の警察に飲酒運転の容疑で逮捕された。同7時18分にパームビーチ・カウンティ拘置所へ移送されたが、同10時50分に保釈された。

 事件の詳細は明らかになっていないが、薬物使用の疑いも出ている。保釈時にパームビーチ郡保安官事務所で撮影されたと見られるウッズの顔写真は、無精ひげを生やし、疲れ切った様子。生気はなく目もうつろで以前のウッズと比べると、異様な表情だった。

 ウッズはメジャー14勝を含め、ツアー通算79勝を挙げているゴルフ界のスター選手。しかし2013年シーズンに5勝を挙げた後は腰痛に苦しんだ。14年春に手術を受けたが、思わしくなく15年9、10月にも腰にメスを入れた。16年10月に「ツアー外競技「ヒーロー・ワールド・チャレンジ」で復帰し、今年1月には約1年5か月ぶりに米ツアー「ファーマーズ・インシュアランス・オープン」に出場した。

 だが2月の欧州ツアー「ドバイ・デザート・クラシック」(UAE)の第2ラウンドを前に腰痛が悪化し、棄権。ウッズは「主治医から2週間はプレーしない方がいいと忠告を受けた」と治療に専念するため、その後の出場試合をキャンセルした。しかし復帰できないまま4月に4度目となる腰と足の手術を受けたと発表。復帰まで6か月と言われていた。

 ウッズは09年11月にも自動車事故を起こしている。当時、ウッズの不倫スキャンダルが発覚。これに激怒したエリン夫人がゴルフクラブを持って襲い掛かろうとしたため、ウッズは車で逃走を図ろうとし、自宅近くで消火栓に激突する事故を起こしたと米メディアで報道された。

 前回とは事情は違うものの、再び警察沙汰になったのは事実。仮に飲酒だったとすれば、リハビリのストレスが原因なのかもしれないが、復活を待ち望むファンの期待を裏切る結果となってしまった。