【ジョージア州オーガスタ発】今季メジャー初戦「マスターズ」最終日(9日=日本時間10日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)、セルヒオ・ガルシア(37=スペイン)が通算9アンダーで並んだジャスティン・ローズ(36=英国)とのプレーオフ1ホール目でバーディーを奪って優勝。母国の英雄、故セベ・バレステロスさんの60回目の誕生日に激闘を制し、悲願のメジャー初制覇を達成した。28位から出た松山英樹(25=LEXUS)はこの日のベストスコアとなる67をマーク、1アンダーの11位でフィニッシュした。

 最後はガルシアのバーディーパットが、6年前に亡くなった母国の英雄の後押しを受けたかのように、やや横めからカップに転がり込んだ。

 この日は6年前に亡くなったセベ・バレステロスさん(享年54)の誕生日。苦しい試合も、最後は長年の苦労に報いるために、天国の大先輩が助けてくれた。

 首位タイでスタートしたこの日のガルシアは、幸先良く1、3番でバーディーを奪う。

 後半に入るとティーショットが乱れ、ローズに逆転を許したものの、15番パー5の第2打はピンをかすめるスーパーショット。5メートルのイーグルパットを沈めると力強いガッツポーズを見せた。

 直後にローズがバーディーパットを沈め、この時点で2人は9アンダーの首位タイ。18番パー4で互いにバーディーチャンスを逃し、プレーオフに突入した

 迎えたプレーオフ1ホール目の18番。ティーショットを大きく右に曲げ、先にボギーでホールアウトしたローズに対し、ガルシアは2パットのパーで優勝という状況できっちり1・5メートルのバーディートライを沈めて激闘に終止符を打ち、1999年の「全英オープン」以来、71試合連続でメジャー出場を続けてきた男がついに初のメジャータイトルを手にした。

 スペイン人の優勝は80、83年のバレステロス、94、99年のホセ・マリア・オラサバル(51)に続いて3人目。“神の子”がようやく栄冠を手にした。