倉本会長に聞く 松山マスターズV条件

2017年04月04日 10時50分

今季はパットが好調の松山。日本人初のメジャー制覇はなるか?(ロイター=USA TODAY Sports)

【ジョージア州オーガスタ2日(日本時間3日)発】男子ゴルフの祭典「マスターズ」(米オーガスタ・ナショナルGC)が、いよいよ6日に開幕を迎える。注目と期待が集まるのはもちろん、世界ランキング4位に上り詰めた日本の怪物、松山英樹(25=LEXUS)だ。レギュラーツアーにおける日本人男子初のメジャー制覇がついに成し遂げられるのか? 立ちはだかるライバルは誰になるのか? 悲願の初Vを狙う怪物を追跡する連載第1回では、日本プロゴルフ協会・倉本昌弘会長(61)が今年の祭典を占った。

 

 ――今年の「マスターズ」では、松山にこれまでにないほどの期待がかかっている

 

 倉本会長:ダスティン・ジョンソン(32=米国)、リッキー・ファウラー(28=同)、ジョーダン・スピース(23=同)、ジェイソン・デイ(29=オーストラリア)…。世界中でこの中の誰かが勝つんだろうと思われている10人ぐらいの中に、松山の名前が入っている。これは日本人として初めて。この時点でものすごいことですよ。

 

 ――実際に注目度は高い

 

 倉本:先月、米国でジム・ナンツ氏(米CBSで「マスターズ」中継を担当するスポーツキャスター)と食事をした際「なんで『マスターズ』に来ないんだ。今年はお前の国の選手が勝つかもしれないんだぞ」って怒られました(笑い)。松山は米国でもそういう目で見られているんです。

 

 ――今季、松山が好調な要因は

 

 倉本:一番はパッティングが良くなったこと。以前からミドルアイアンからショートアイアンについては米ツアー屈指の名プレーヤーでした。今はその他のスタッツを見ても、ムラなく、全体に高いレベルになってきている。

 

 ――飛距離も伸びた(平均飛距離は昨季294.5ヤード→今季302.9ヤード)

 

 倉本:わずかだけどフェアウエーキープ率(昨季62.04%→今季62.29%)も上がっている。相反する要素なので、この2つが同時に良くなるというのは大変なこと。スピースとともに“超飛ばし屋”ではなくてもショットの精度を追求することで、世界で勝てるゴルフを確立したといっていい。

 

 ――「マスターズ」で勝つためのポイントは

 

 倉本:初日に出遅れないこと。年によってコンディションが大きく違うとはいえ、アンダーでは回っておきたい。これが仮にフィル・ミケルソン(46=米国)なら出遅れてもどこかで「63」を出して、一気に優勝争いに絡んでくるかもしれないと思えるけど、松山は初日から上位にいてこそでしょう。

 

 ――2人の何が違う

 

 倉本:ナンツ氏は「実力のある連中がとてつもない力を出すのがメジャー。日本人はそこが弱い」とも言っていました。面白い見方だと思うと同時に納得もできる。例えば「ライダーカップ」(米国と欧州の対抗戦)での選手たちの燃え上がり方。あれは日本人ではまずあり得ない。国民性とか、宗教観とか、そういうところに行き着いてしまうような、根底にある何かが違うんでしょうね。

 

 ――ライバルは

 

 倉本:ここまで名前を挙げたようなトップ選手はみんなですよ。個人的にはオーガスタでのローリー・マキロイ(27=英国)には「?」。今季のプレーぶりだとバッバ・ワトソン(38=米国)は厳しいのかなと見ています。グリーンの状態、雨、風などによって優勝スコアも、優勝争いの顔ぶれも変わるでしょうが、どんなコンディションでも生き残るのがオールラウンダー。松山とスピースがまさにそのタイプでしょう。

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