今季のメジャー初戦「マスターズ」(4月6日開幕)まで1か月、松山英樹(25=LEXUS)がやや調子を落とすのを尻目に、優勝争いのライバルたちが揃って調子を上げてきた。

 先週の世界選手権シリーズ「メキシコ選手権」では世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(32=米国)が出場2試合連続となる優勝。肋骨の疲労骨折からの復帰戦となったローリー・マキロイ(27=英国)は7位に食い込み「期待以上のショットが打てた。初戦としては悪くない」と手応えを口にした。

 一昨年の「マスターズ」覇者ジョーダン・スピース(23=米国)はトップ10こそ逃したものの(12位)、3日目には「63」と大爆発。今季3勝のジャスティン・トーマス(23=同)は5位で、松山を抜き米ツアーのポイントランクで首位に立った。さらに「マスターズ」3勝のフィル・ミケルソン(46=同)も7位と上り調子。上位選手が軒並み好調なだけに、今年の「マスターズ」に限っては伏兵が付け入る隙はなさそうな雰囲気だ。

 そんななか、気になるのは本命サイドにいるはずの松山の状態。D・ジョンソンは「今年はいいプレーを続けている選手が多い」としてライバルの一人に松山の名前を挙げたが、2週前に今季初の予選落ちを喫したのに続き、優勝争いに絡めず25位でのフィニッシュ。最後までパッティングが決まらず「ほとんど自分のミス。思ったところにストロークできない歯がゆさを感じた」と振り返った。

「上位にいるのは常にトップ10や優勝争いをしている選手。僕はまだ練習が足りないということ」。シーズン序盤の活躍で、実力は十分に証明済みだが、悲願のメジャー制覇を実現させるには大一番にピークを合わせる調整力も必要。ライバルたちに負けじと松山も再び調子を上げていきたいところだ。