1年3か月ぶり復帰 ウッズ完全復活への壁

2016年11月30日 11時00分

ウッズ最後のメジャー制覇となった2008年の「全米オープン」

 男子ゴルフの元世界ランキング1位で米ツアー通算79勝を挙げているタイガー・ウッズ(40=米国)が、自身がホストを務める慈善大会「ヒーロー・ワールドチャレンジ」(12月1日~、バハマ・ニュープロビデンス)で約1年3か月ぶりに実戦復帰する。腰の手術とリハビリを経てようやく表舞台に戻ってくるが、取り巻く環境は以前にも増して複雑だ。“手負いの虎”は再び輝くことができるのか――。

 

 27日(日本時間28日)、米スポーツ専門局ESPN(電子版)に掲載された記事で、復帰戦を目前にしたウッズは「私は死んでいない」とジョーク交じりに語った。現在はさまざまな用具のテストを続けている最中だが、それも大詰め。「準備はできている」と自信を込めて言い切った。

 

 昨年8月の「ウィンダム選手権」を最後にツアーから離れ、2度にわたる腰の手術を受けたが、復帰に向けては紆余曲折あった。今年6月の「全米オープン」に出場エントリーしたものの回避。2016―17シーズン開幕戦となった9月の「セーフウェー・オープン」には大会前週のエントリーまで済ませたが、大会3日前に急きょ欠場を決めた。出場予定だった11月の欧州ツアー「トルコ航空オープン」もキャンセルした。

 

 9~10月に行われた米国選抜と欧州選抜のチーム対抗戦「ライダーカップ」では副主将として参加したものの、プレーはしなかった。周囲からの「スイングを見せてほしい」「ボールを打ってほしい」といった要望にも応えずじまい。これで「タイガーは本当に復帰できるのか」といった懐疑的な意見が選手たちの間に広がり、「セーフウェー」のドタキャンでウッズの状態が深刻なものであることをダメ押しした格好になっていた。

 

 だが、選手のトレーナーらからは楽観的な声が上がっていたのも事実。その後、ウッズの復帰は急ピッチで進められてきたが、これで即活躍となるかは別問題だ。

 

 一番のネックとなっているのが、現在「調整中」としている用具の選定。ウッズといえばスポーツ用品大手「ナイキ」と蜜月関係にあり、一時は年間2000万ドル(約22億4000万円)と言われる巨額契約を結んでいた。クラブやボール、それ以外のアパレルなどでも完璧なサポートを受け、パフォーマンスを維持してきた。

 

 そのナイキが今年8月、ゴルフ事業の大幅縮小を発表。用具ビジネスからの撤退が決まり、契約選手たちに混乱が広がった。ウッズも例外でなく、他社製のドライバーやアイアンなど試行錯誤している。その中で、ボールについてはブリヂストン社のボールを使用することを表明。「自分にとって最も重要なのはボールだ」と神経質になっていることをうかがわせた。

 

 代名詞となった「タイガーチャージ」はウッズの技術もさることながら、ナイキのサポートのたまもの。それがなくなるというのは、リハビリと同時進行でスイング改造もしなければならないウッズにとっては酷な状況だ。自身のホスト大会で華麗な復活劇があっても驚きはないが、まだまだ苦難の道は続きそうだ。

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