【1か月で4戦3勝】松山英樹「進化」の裏側

2016年11月15日 11時00分

 ゴルフの国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」最終日(13日、静岡・太平洋C御殿場C=パー72)、首位スタートの松山英樹(24=LEXUS)が69とスコアを伸ばし、大会記録を1打更新する通算23アンダーで日本ツアー8勝目を挙げた。ここ1か月で4戦3勝と怪物ぶりを発揮しているが、一方で現在契約メーカー以外の1Wを使用していることが話題を呼んだ。この裏側を探ると、とてつもない松山の「進化」があった――。

 6打のリードで最終日を迎えた松山に意外な展開が待ち受けていた。6番パー5ではティーショットを左の林に打ち込みアンプレヤブル。さらに第4打をグリーン右手前の池に入れ、6オン1パットのダブルボギーを叩いた。

 続く7番パー3は花道からのアプローチをミスしてボギー。2位との差はあっという間に3打となった。

 松山は「63を出せば、日本ツアーの記録になると知って、出せない数字ではないと思ったんですが…」。ツアー新記録の通算29アンダーどころか優勝すら危うくなった。

 それでも、後半に入ると11、13、15、16番と怒とうのバーディーラッシュ。12番のピンチもしのぎ「11、12、13番が大きかった。15番を取って、ひと安心しました」。一気に後続を突き放し、最終的には7打差をつけての完全Vだ。

 約1か月前の「日本オープン」に続き、今季は国内ツアー2戦2勝。「日本では1日ハマれば勝てると分かってきた。今週は3日間良かったので、この差になった。米ツアーでは3日間ハマらないと勝てない」。世界のトップ10に名を連ねる松山ならではの言葉で日米の差を語った。

 そんななか、話題を集めているのが松山の1Wだ。この3試合、契約する「ダンロップスポーツ」とは別のメーカーのクラブを使用している。本来なら契約違反となってもおかしくない行為だが、実はここに「進化」が隠されているという。

 同社の関係者は事情をこう説明する。

「ある瞬間に、突然変わったわけではないが、松山選手は飛距離が伸び、弾道も明らかに高くなった。松山選手が我々の想定を上回ってしまった」

 1年前、そこから半年後の松山に合わせてクラブを開発したが、調整してもその「進化」に全く追いつかない状態になったというのだ。同社では急成長を続ける松山に合わせた調整を進めており「早い段階でうちのクラブに戻ると思っている」。同社からよりフィットした1Wが提供されれば、抜群の安定感にさらに磨きがかかるのは間違いないだろう。

 松山の次戦は自ら指名した石川遼(25=CASIO)とのコンビで出場する「ゴルフW杯」(24日~、オーストラリア)。ぶっちぎりVでも今大会の内容には決して満足していないが、松山は「結果としては最高の流れ。この1週間でこれは自信を持って打てるというものをつくって臨みたい。遼もその気持ちで来てくれると思う」と世界一の座を見据えた。

 日米両ツアーに出場した最近4試合で優勝3回、2位1回。進化が止まらない日本の怪物ゴルファーはこの勢いのまま、いよいよ世界一へと上り詰めるのか。