国内女子ツアー「伊藤園レディス」最終日(13日、千葉・グレートアイランドC=パー72)は、イ・ボミ(28=韓国)が通算10アンダーで並んだ笠りつ子(29=京セラ)とのプレーオフを制して今季5勝目、ツアー通算20勝目を挙げ、2年連続の賞金女王へ大きく近づいた。

 ボミの目が覚めた。1打リードで迎えた18番で「私は安全に乗せただけだったけど、りっちゃん(笠)は池に近いピンを狙ってバーディーを取った。攻めなきゃ勝てないんだ、と思った」。プレーオフ最初のホールでは果敢にピンに突っ込んだ。バーディーパットは決め切れなかったものの、2ホール目は「私のほうが有利なんだ、と言い聞かせた」(ボミ)ことで、笠の6メートルより近い5メートルにオン。これを決めてバーディーを奪い、勝負を決めた。

 8月の「CATレディース」を最後に優勝から遠ざかった時期は「勝ちたい、と思いながら攻め切れていなかった」(ボミ)が、この日は最後に攻めて勝った。

 この優勝で賞金ランク2位の申ジエ(28=韓国)との差は3684万6751円に。数字上は残り2戦でランク3位の笠まで逆転の可能性があるが、“攻め気”を取り戻したボミに死角は見当たらず、2年連続の賞金女王は「当確」の状況だ。

 156試合目、28歳84日での20勝到達は史上2番目の早さで、4番目の若さ(いずれもツアー制度施行後)。「6年前に日本に来た時は20勝できるなんて思ってなかった」と振り返るが、人気&実力ともにナンバーワンの安定政権は当分揺るぎそうにない。