国内女子ツアー「スタンレーレディス」2日目(8日、静岡・東名CC=パー72)は悪天候による2度の中断があって日没サスペンデッドになり、9人しかホールアウトできなかった。先週の「日本女子オープン」で史上初のアマチュアでメジャーVを成し遂げた畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高3年)は好調を維持しているが、その注目度はコース外でも高まるばかり。舞台裏では父・仁一さん(51)の“争奪戦”が始まっているという。

 濃霧と雨で日没サスペンデッドとなり、畑岡も9ホールのみのプレーとなった。大会は36ホール競技に短縮され、史上初のアマチュア2勝目へ向け、残り9ホールの短期決戦に臨む。「明日は全ホール、バーディーを取るぐらいの勢いでプレーしたい。ホテルに帰ったら、残り9ホールと自分の優勝シーンまでをイメージしてシミュレーションします」と意欲を見せた。

 その畑岡は来週にもプロ転向を正式に表明する見込み。とはいえ、現在はまだアマチュアの身分なので、各種契約などお金が絡む話はご法度だが、その代わりに父の“争奪戦”が激しさを増す一方だ。

 ゴルフをやらない仁一さんは先週の快挙達成直後こそ「いまひとつピンとこなかった」そうだが、自宅の玄関がお祝いの胡蝶蘭などで埋め尽くされ「冗談抜きで『お花畑』になっています」。すぐに娘が成し遂げたことの偉大さを感じるようになった。

 さらには「銀行さんがいくつか来て『うちに口座をつくりませんか』と…」。プロに転向すれば、1000万円単位の契約金が入ることも予想される。これを見込んだ銀行が“超優良顧客”の獲得に早々と走ったというわけだ。

 普通のサラリーマンの仁一さんは「まだアマチュアだから何ひとつ契約したわけじゃないのに」と困惑するが、さらなる“オファー”も届いた。気の早い出版社が「畑岡奈紗のつくり方」との仮タイトルまで付けた子育て本の企画書を持参。とにかく各分野で、最初に“超新星の父”から「YES」の返事をもらおうと血眼になっている。

 もちろん、それだけ畑岡の将来性が買われている証し。プロ転向後はさらなる大量オファーが舞い込みそうだ。