国内女子ゴルフの「日本女子オープン」で史上初のアマチュアVを飾った畑岡奈紗(17=茨城・ルネサンス高3年)が4日、週明けにもプロ転向の意向を示した。勝みなみ(18=鹿児島高3年)らと同じ“最強世代”の一人が早々とプロになることで、思わぬ影響も…。超ハイレベルが予想されている来年のプロテストがほんの少しだけ楽になるかもしれないのだ。

 快挙から2日、畑岡の姿は「スタンレーレディス」(7日開幕)が行われる静岡・東名CCにあった。練習ラウンドで入念にコースをチェックした後、報道陣の取材に応じ「プロに早くなりたいと思っています」。

 今回の優勝により、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に単年登録できるのは21日までだが、「期限までに」という問いかけには「そうですね」と答えた。まだ両親とは「深い話をしていない」とはいうものの、本人の意思は固まっている。来季の米女子ツアーの出場権をかけた「2次予選会」(20~23日)出場のため、12日には渡米予定。申請に本人が立ち会う必要はないが、日程的に来週早々にプロ宣言をするものと見られる。

 LPGAも3日の理事会で畑岡から申請があった場合には承認することを確認済み。今大会がアマチュアとして出場する最後の大会となる見込みだ。

 一方で、現在の高校3年生は女子ゴルフの黄金世代。中学3年時には松原由美(17=大阪学院大高3年)が史上最年少で「日本女子オープン」の予選を通過し、ローアマを獲得。高校1年で勝が最年少ツアー優勝を飾った。高校2年だった昨年は新垣比菜(17=興南高3年)がステップアップ(下部)ツアーで優勝を果たすと、レギュラーツアーでも活躍。そして、3年となった今年は畑岡が偉業を成し遂げた。

 その他にも有力選手が多数いるこの世代が大挙して受験する来年のプロテストが、例年以上に厳しい戦いとなるのは確実。合格は20位タイまでと、選手のレベルが結果に直結するだけに、今年の受験者やその関係者の間では「今年落ちたらやばい…」という声が早くから上がっていたほどだ。

 もちろん、畑岡はプロ転向してもあくまで単年登録者。正会員(プロテスト合格者)とは立場が異なるため、絶対とは言えないが、来年のプロテストは受験しない可能性大。強敵が一人でも減るのはプロ候補たちにとっては朗報だ。

 毎年のように新たなスターが飛び出す史上最強世代。その先陣を切ってプロの道に進む畑岡がこのまま先頭を走り続けるのかは、まだ誰にも分からない。