リオデジャネイロ五輪の出場エントリーが締め切られたことを受け、日本ゴルフ協会と五輪競技対策本部は19日、ゴルフの日本選手団決定発表会を都内で開いた。席上、メダリストへの報奨も明らかになったが、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の会員ではない野村敏京(23)への対応は不透明。野村がメダルを獲得した際には大きな問題になりそうだ。

 112年ぶりに五輪で実施されるゴルフに日本代表として出場するのは、男子の池田勇太(30=日清食品)、片山晋呉(43=イーグルポイントGC)、女子の野村、大山志保(39=大和ハウス工業)の4人。丸山茂樹ヘッドコーチ(46=セガサミーHD)を含めた3人のスタッフと各選手のキャディーが選手団として現地入りする。

 メダリストへの報奨は男女で微妙に異なるが、金メダルは自由に行使できるシード10年分と1000万円、銀メダルは同5年分と500万円、銅メダルは同3年分と300万円に決まった。

 男子についてはレギュラーツアーでシードを行使できるのは49歳までで、50歳からはシニアツアーに権利を引き継ぐ。すでに永久シードを持つ片山がメダリストになった場合には、おのずとシニアでシードを行使することになる。

 一方、女子のシードは会員のみが対象。「会員団体なので、ということでした」(倉本昌弘強化委員長)。非会員の野村には報奨金のみが与えられる。

 強化委員会が掲げてきた“オールジャパン体制”はどこへやらで、その後の処遇は、さらに判然としない。メダルを獲得した野村が将来的にLPGAの会員になった場合、あるいは非会員のツアーメンバーである単年登録者になった場合、その時点でシードを与えるかについては「決まっていません」(LPGA関係者)。

 現在の規定ではプロテスト合格以外に入会方法はなく、野村が会員になる可能性は低いかもしれないが、単年登録は日本ツアーで優勝すれば可能。十分に想定されるケースにもかかわらず「今回の代表は会員の大山選手と非会員の野村選手なので、単年登録者の扱いは議論していません」(同)。当然、さかのぼってシードを与えるかは、決めようがないというわけだ。

 野村は今季、米女子ツアーで2勝を挙げ、世界ランキング22位(五輪出場者では15番目)と、男女を通じてメダルに最も近い存在。報奨が目当てではないとはいえ、リオで思う存分、力を発揮してもらうためには、事前に結論を出しておくべき問題のはずだが…。