【英国・トルーン14日(日本時間15日)発】日の丸の誇りが池田を奮い立たせた。今季メジャー第3戦「全英オープン」初日(ロイヤルトルーンGC=パー71)、池田勇太(30=日清食品)は4バーディー、1ボギーの68で回り、3アンダーの12位と好発進した。ランク上位の松山英樹(24=LEXUS)と谷原秀人(37=国際スポーツ振興協会)の辞退でリオ五輪の出場権を得て迎えたメジャーの舞台で好ショットを連発。日本代表としての意地を見せた。

 2年連続となる「全英」の舞台で池田が躍動した。出だし3ホール連続パーで迎えた4番パー5で初バーディー。6番でもバーディーを奪い、8番のボギーも続く9番のバーディーで帳消しにした。後半は一転して我慢のゴルフとなったが、14番パー3で伸ばし、微妙なパーパットも何度も沈めてノーボギー。自己最高だった2011年の69を超える68の好スコアをマーク。ホールアウト後は笑みも漏れた。

「前半はすごくいい感じでプレーできた。後半も耐える展開の中でいいパットを入れることができた。基本的に良かった」

 結果を出さなければいけない大会という自覚は十分にあった。決して本意とはいえない形で手にしたリオ五輪の出場権。ジカ熱の問題など環境面の不安も多い大会だが「誰かが出なければならない大会。先陣を切って戦いに行く」と力強く意気込みを語った。だが、肝心のゴルフの調子が不安定。先週の「日本プロ選手権日清カップ」では見せ場すらつくれず、今季初の予選落ち。「悔しい思いをしてきた。いつもと違う気持ちで初日に臨みたい」とティーグラウンドに向かった。

 昨年まで日本ゴルフツアーの選手会長を3年間務め、日本男子ゴルフが直面する危機と向き合い、地位向上を常に考えてきた。その中でゴルフが112年ぶりに五輪競技として復活。2020年東京五輪での開催も決まったこともあって「リオはゴルフの価値が試される大会。4年後の東京五輪を見据えて全て次につなげないといけない」と自らに課せられた使命の重さを感じている。

「自信を持って第2ラウンドもやれれば。またやれるとも思う」と力強く語り、いつもの強気な池田が戻ってきた。