国内女子ツアー「CATレディース」最終日(23日、神奈川・大箱根CC=パー73)、2位スタートの服部真夕(27=LIXIL)が69とスコアを伸ばし、通算14アンダーで3季ぶりのツアー5勝目を挙げた。9試合連続予選落ちの大スランプだった春先から劇的な復活Vの裏には“師匠離れ”があった。

「こんなに早く勝てるとは思わなかった。自分のことじゃないみたい。自分を信じてやってきて良かった」。苦しんだ末の久々のVにも服部の目に涙はなかった。

 2年前からアプローチにイップスが出始め、現在も「アプローチになると心拍数が上がる」。前日の第2ラウンドではグリーン周りのラフから2度打ちというプロには珍しいミスも出た。さらに、昨季終盤からはショットも不調に陥った。80を叩くこともたびたびで、開幕2戦目から9試合連続予選落ち。そんな中で決断したのが「脱・岡本一門」だった。

 長年の師匠、岡本綾子(64=ダイワボウHD)について「今まで何もかも頼りっきりで、自分で考えたことがなかった。一度、一人で考えながら、やってみようと思った」。5月上旬に決意を伝えると、岡本は「分かった」と理解を示してくれたという。

 しばらくすると、ショットの不調の原因が見つかった。「アドレスで、かなり右を向いていた。150ヤードのショットで1ピン(約2・5メートル)以上。それで真っすぐ飛んでも曲がったように感じていたんです」。今回は自分の力で不振を抜け出したことが大きい。

 今でも岡本とは連絡を取っており「たくさんお世話になってきたし、心配もかけた。感謝の気持ちを伝えたい」。師弟関係がなくなったわけではない。

 アプローチのイップス症状は相変わらずだが「ショットが良ければカバーできる。新たな手応えをつかめました」。開幕前に掲げた年間2勝以上の目標に再スタートを切った。