明るい兆しが見えてきた。ゴルフの国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日(10日、埼玉・石坂GC=パー72)、首位と5打差の13位から出た稲見萌寧(22=Rakuten)は、1イーグル、5バーディー、4ボギーの69で回り、通算6アンダー。2位まで順位を押し上げた。

 ギャラリーの応援を力に変えた。「たくさんの人が応援をくれて、楽しかったし、久しぶりな感じがあった」と有観客の実施された今大会の最終日に躍動。大会前には「いろんな意味で悩みながらやっている」と語っていたが、この日は1番でイーグルを奪うと、3、4番で連続バーディー。ボギーを4つたたいたものの「全体的には久しぶりの上位でよかったかなと思う」と一定の手応えを口にした。

 昨季は賞金女王に輝いた一方で、今季は苦しい試合が続いていた。「(上位に入れたのが)1試合だけでは自信はつかない」と謙遜しながらも「ショットもそうだが、パッティングの方も少しずつ入る場面が増えたので、全体的によくはなってきた」と納得の表情。その上で「なるべくこれ(上位進出)を続けられるように頑張りたい」と意気込みを示した。

 昨夏の東京五輪では銀メダルを獲得して世界に名をとどろかせた。さらなる飛躍へ、復調のきっかけをつかみつつあるようだ。