【ワシントン州ユニバーシティープレース15日(日本時間16日)発】男子ゴルフのメジャー第2戦「全米オープン」(チェンバーズベイGC=パー70)に向け、松山英樹(23=LEXUS)はコースには出ず、練習場でショット、パットの感触を確かめた。事前にコースを訪れた際には十分なチェックができなかったが、週末のラウンドで挽回。初のメジャー制覇へ、着々と準備を整えている。

「全米オープン」は松山にとって特別な舞台だ。初出場は2年前の2013年。国内での予選を突破し、プロとして初メジャー、初の米ツアー出場を果たした。

 しかも、本戦では最終日に「67」のチャージを見せ、10位と健闘。米ツアー出場権獲得の足がかりを作った。アマ時代に2度の「マスターズ」を経験している松山だが、米ツアーメンバーへの第一歩がここから始まったのは間違いない。

 今回はフェデックスランク9位、世界ランク14位と堂々の優勝候補としての参戦。事前にコースの下見をするなど、男子ツアーでは日本人初のメジャータイトル獲得へ、並々ならぬ意欲がうかがえる。

 ただし、その下見はやや残念な結果に終わったようだ。コースを訪れたのは4月のこと。松山に同行する関係者は「当初は2日間の滞在で2ラウンドする予定でしたが、結局1ラウンドだけで引き揚げました」と明かした。

 その原因は、あられが降るほどの寒さと悪天候。最悪のコンディションで松山の調子も上がらなかったために、初日の時点で2日目のラウンドはキャンセルし、早々に現地を引き揚げたという。

 ここ数日は気温が26度前後まで上がり、温暖な気候が続いている。「今は天国みたい。コースもセッティングが変わり、4月に見たのとはかなり違っている」(前出の関係者)

 事前の下見では十分なチェックができなかったが、すでに14、15日にハーフずつの練習ラウンドを行っており、改めてコースを確認。この日、コースに出なかったことからも、ある程度の情報は得られたと見て間違いない。

 米ツアーでは恒例となっている事前の優勝予想「パワーランキング」では世界ランク1位のローリー・マキロイ(26=英国)、4月の「マスターズ」を制した同2位のジョーダン・スピース(21=米国)に続く、3位にランクイン。米国でもトップ選手としての地位を完全に確立している。

 1、18番は日によって、パー4としても、パー5としても使用。「全米オープン」では初の試みとなる変則コースが舞台だが、世界が認める力をつけた今の松山なら悲願達成の可能性は十分にある。