2021年もいろいろあったゴルフ界。渋野日向子(23=サントリー)が12月の米ツアー「最終予選会」を突破したのは記憶に新しいが、4月には松山英樹(29=LEXUS)がメジャー「マスターズ」制覇という歴史的快挙を達成した。担当記者が、2大注目選手の21年を振り返りつつ、話題は石川遼(30=CASIO)にも及んだ。

 記者A やっぱり2021年、ゴルフ界は2019年の「全英女子オープン」を制した渋野抜きには語れない。前半はスイング改造の影響で苦しんだけど、秋には復活の国内ツアー2勝を挙げて12月の米ツアー「最終予選会」も20位で突破したしな。

 記者B 21年に着手したスイング改造は賛否両論どころか〝否〟が多かったです。当初は方向性も安定せず、飛距離も落ちていましたしね。あるベテラン男子プロは「全英女子に勝っているんだし、変えなくてもいいのに…」と言ってたくらいでした。

 記者A 否定的な意見は本人の耳にも入っていて、10月に約2年ぶりの復活優勝したときには「見返したい気持ちもあった」と言っていた。笑顔の裏に秘める負けん気も強いし、ブレない信念の持ち主だということを痛感させられたよ。新スイングも完成度が高まっているし、22年は米国で大暴れを期待したいな。それに…。

 記者B っていつまで渋野の話を続けるんですか。偉業度で言えば、21年は松山の「マスターズ」優勝に勝る出来事はありません。日本人はおろかアジア勢でも初の優勝ですから、歴史の教科書に載っておかしくないと思います。

 記者A 3日目を終えて2位に4打差をつけて単独首位だったから、安心して見てられるかと思ったら、サンデーバックナインはドキドキさせられたよ。多くの選手が伸ばす15番パー5はボギーだし、続く16番パー3もボギー。だけど、猛追してきた同組のザンダー・シャウフェレ(米国)がその16番でまさかのトリプルボギーをたたいて大勢が決まったように感じたよ。

 記者B 終盤でスコアを落とすのは、普通なら逆転されるパターンですけど、勝つための運も持っていた勝利でした。そんな勝負運を使い切ったせいか、東京五輪では最終日に短いパットを決め切れず、7人による銅メダルプレーオフに放り込まれて4位に終わりました。それでも国内開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(10月)で優勝を狙って勝ったのはさすがでした。

 記者A 最後に隔離破りの石川にも触れておこうか。

 記者B JGTO(日本ゴルフツアー機構)からの11月15日~12月15日まで出場停止処分で年内はラスト4試合出場できませんでしたが「例えば最終戦だけは出場させる方が重い処分になったかもしれない。言葉は悪いけど〝さらし者〟になるからね」なんて言ってたツアー関係者もいましたね。

 記者A 確かにそうかもだけど、本人も反省しているだろうし、22年は本業の活躍で話題になってもらいたいな。