初の賞金女王に輝いた稲見萌寧 持ち味の “鬼メンタル” もコーチ「本当はものすごく弱い子」

2021年11月28日 18時30分

稲見萌寧(東スポWeb)
稲見萌寧(東スポWeb)

〝鬼メンタル〟の本当の意味は――。国内女子ツアー今季最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」最終日(28日、宮崎・宮崎CC=パー72)までもつれた賞金女王争いは、賞金ランキング1位の稲見萌寧(22=都築電気)が逃げ切り、初の女王となった。ランク2位の古江彩佳(21=富士通)は単独2位以上なら逆転女王だったが、3位に終わりあと一歩届かなかった。 

 新型コロナウイルス禍で2020年と21年シーズンが統合された異例の今季、古江が最終18番ホールのバーディーパットを外して決着。最後までもつれにもつれた賞金女王争いは、約840万円差で稲見に軍配が上がり、通算イーブンパーの9位でホールアウトしていた新女王の目から涙があふれ出た。

 稲見は「賞金女王をとれたのはうれしいですが、一番はやりきった感。今までよりも試合数が多かったので、達成感というか疲労感でいっぱいです」と、喜びより長いシーズンを戦い切った安堵感を漂わせた。

 今季は9勝を挙げ、8月の東京五輪では銀メダルを獲得して大きな飛躍を遂げた。一方で今夏から腰痛に苦しんだが、練習量を3分の1に減らすなどケアに努めて乗り切った。

 指導する奥嶋誠昭コーチは、賞金女王の要因に「パットが入るようになったこと」を挙げた。一方で稲見はメンタルの強さが持ち味とされ、東京五輪では〝鬼メンタル〟として注目を集めたが、同コーチはこんな見方を示す。「気持ちは強いんですかね? すごく弱いと思う。周りに誰かがいるから保っていられるんで、本当はものすごく弱い子。でもある一定のところで、ギリギリ踏みとどまることができる」

 これは稲見が女王争いの最中に賞金女王を「意識していない」と言い続けたことでもわかる。「僕とかサポートしている親、トレーナーとか周りにも言わない。本人は思ってても言わない選手。やはりプレッシャーがかかりますので」(同コーチ)。〝鬼メンタルの持ち主〟というよりは、メンタルのコントロールが上手な選手ということだろう。
 
 稲見本人も「プレッシャーっていうのも実際にあって、それに勝つからこそより一層パワーアップできる」と語る。国内ツアー通算30勝以上で得られる永久シード獲得を大目標に掲げる新女王は、来年以降も安定したメンタルで女子ゴルフ界を引っ張っていくことになりそうだ。

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