女子ゴルフの稲見萌寧(22=都築電気)が大記録を射程圏に入れた。国内ツアー「伊藤園レディス」最終日(14日、千葉・グレートアイランドC=パー72)、通算17アンダーで2位に9打差をつける圧勝で今季9勝目(通算10勝目)を挙げた。

 節目の10勝目到達は2005年10月に20歳105日で達成した宮里藍(サントリー)に次ぐ歴代2番目の年少記録。「今年の目標は2ケタ優勝だったので、達成できてよかったと思います」と喜びを口にしたが、まだ今季はあと2試合を残す。シーズン勝利数に目を向ければ、不動裕理(45)が03年に記録したシーズン最多勝利の10勝を超える可能性があるのだ。

 今季は新型コロナウイルスの影響で昨年と統合され、試合数が多いこともあるが、シーズン11勝となれば、不滅の記録となってもおかしくはない。さらにその結果、国内ツアー初となるシーズン獲得賞金3憶円を突破する。

 本人は「今季の2ケタ優勝を目指して頑張りたいと思います」とする一方で、さらなる数字の更新には「目標が多すぎても全部あいまいになってしまうので、そこまでは意識していないです」と強調した。

 いまのところ稲見に米ツアー志向はなく、国内ツアー通算30勝以上で得られる永久シード獲得を大目標に掲げる。不動は04年7月に史上最年少の27歳285日で達成したが、こちらの行方も気になるところだ。