ついに日本ゴルフ界と決別? 松山英樹(22=LEXUS)が4日、日本ゴルフツアー機構(JGTO)に今季のメンバー登録を行わなかったことを明かした。渡米に際した会見で「今年も米ツアー中心。(出場義務)5試合を達成できそうにない」と理由を説明。スター選手の流出は大きな波紋を呼びそうだ。

 海外メジャーに勝つという目標のため、主戦場に米ツアーを選んだ松山は「決めたことをやり通したい」と、日本ツアーメンバーを自ら放棄した。昨季、国内で出場したのはわずか2試合。JGTOが定めた5試合の出場義務試合数を満たせず、制裁・懲罰委員会の対象となっていた。松山の相談を受けた母校・東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督(52)は「決められたルールは守るというのが本人の考え。だから制裁金を支払った上でメンバー登録はしなかった。そうしたいというので、その通りにさせた」。制裁金は数十万円程度と見られる。仮にメンバー登録を行った場合、再び5試合の出場義務が発生する。松山の「日本の試合には出たいが、今の自分にはその余裕がない」という言葉通り、条件を満たせなければ再び懲罰の対象となる。JGTOからの聴取やメディアからの取材など周囲の喧騒を避けるための決断でもあった。

 JGTOは松山がメンバー登録しなかったことに「残念です」とコメントしたが、すべてが後手に回った。これにより全登録メンバーを紹介している2015年のツアーブックから姿を消す可能性大。日本のナンバーワンプレーヤーが、選手名鑑に掲載されないのは異常事態と言えるだろう。

 それでも、国内のファンの前から姿を消すわけではない。松山は「日程が空いたときに推薦していただける試合には出たい」。推薦以外にも過去5年間で優勝した大会は出場資格が残っている。

 年末年始は地元の松山でのんびり過ごし、心身ともにリフレッシュした。「マスターズが(日程で)一番近いメジャー大会。そこを目標に目指していきたい」と新年の抱負を語った。まずは「現代自動車チャンピオンズ大会」(9~12日、ハワイ州)で今季初Vを狙う。