“怪物”松山Vで義務試合ルール改正へ

2014年11月24日 10時51分

日本ツアー通算6勝目を挙げた

 怪物が“ルール”を変えさせた。ゴルフの国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」最終日(23日、宮崎・フェニックスCC=パー71)、松山英樹(22=LEXUS)が15アンダーで並んだ東北福祉大の先輩、岩田寛(33)をプレーオフ1ホール目で下し、日本ツアー通算6勝目を挙げた。義務試合数不足で来季の出場資格を失う可能性もあったが、今回のVで新たな資格を得て危機回避に成功。それどころか、周囲は一気に規定の改正に動き始めており、影響力の大きさも証明した。

 大混戦の最終日となったが、18番パー5で行われたプレーオフは1ホール目であっけなく決着がついた。ティーショットを右の林に打ち込み、トラブルとなった岩田に対し、松山は手堅くパーをセーブ。大会7人目の日本人優勝者が誕生した。

 昨季の海外遠征に同行した経験を持つ契約メーカーの関係者は「前の週から会場入りし、体調を見ながら練習ラウンドをハーフで終わらせたりするのは海外メジャーと同じ入り方だった」。これ以上ない本気モードで挑んだだけに、松山も「めっちゃうれしいです。最近こんなうれしいことはなかった」と素直に喜びを表現した。

 米ツアーを主戦場とする松山は、今季国内ツアー2試合目にしてこれが最後の参戦。日本ゴルフツアー機構(JGTO)が今年に入って定めた5試合の義務試合数を満たせないため、昨季賞金王としての出場資格が来季は停止となる可能性もあった。

 しかし、新たにツアー優勝者としての2年間の出場資格を獲得。試合数は今季と同様に限られるものの「日程に余裕があれば、こうして帰ってきて、日本のみなさんの前でプレーしたい」と松山は来季の国内参戦に前向きな姿勢を見せた。

 そんななか、JGTOの鷹羽正好副会長は「スポンサーの方々だけでなく、我々としても、松山選手、石川(遼)選手に日本の試合に出てほしいと思い定めた規定だが、厳し過ぎた。選手やGTPA(大会スポンサーの団体)からもそういう意見をもらっている」と本紙に語った。すでにJGTOの山中博史理事も義務試合数の引き下げを示唆(本紙既報)していたが、鷹羽氏はさらに踏み込み、海外ツアー参戦中の選手に対する義務試合を「0」とすることも含めて検討していくという。これで、規定改正が確実となった。

 一方、義務試合数不足の松山に対する処分を決定する懲戒・制裁委員会は海老沢勝二会長や外部の有識者により年内にも行われる予定。鷹羽氏はこれについても「外部の方々からどのような意見が出るかは分からないが、我々としては松山選手が来季も気持ち良く世界で活躍できる形にしたい」と明かした。処分する側のJGTOが穏便な決着を望んでおり、「おとがめなし」となる可能性が高まっている。

 こうした方針変更はもちろん、国内ツアーにおける松山の影響力の大きさを物語るもの。ホストプロとして結果を求められるプレッシャーのなかでの優勝に松山は「次はメジャーで勝てるように頑張りたい。この経験はこれからの大きな試合で生きると思う」。出場義務試合数という国内の“足かせ”も軽くなり、来季はますますメジャー制覇への道を突き進むこととなる。