【ジョージア州ジョンズクリーク27日(日本時間28日)発】女子ゴルフの海外メジャー「全米女子プロ選手権」最終日(アトランタ・アスレチックC=パー72)、68位から出た渋野日向子(22=サントリー)は6バーディー、1ボギーの67で回り、通算1オーバーの40位で、東京五輪出場を逃した。畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)と稲見萌寧(21=都築電気)が五輪代表の座を確実にする中、渋野は次なる目標に向けて突き進む。

 17番パー3でティーショットをグリーンに乗せると、渋野は両手を横に広げて「セーフ」のアクションをした。前日は池に4度落として「10」を叩いたホールでパーセーブすると「7打縮められた」と冗談めかしてひと言。最後に持ち前の明るさが戻ってきたように、最終日は好プレーだったものの、五輪代表には届かなかった。

 25日に帯同キャディーの新型コロナウイルス陽性が判明し、3日目からハウスキャディーに交代。渋野もPCR検査を受ける必要があり、最終ラウンドを前に練習できたのはスタート30分前だった。ドタバタで臨んだ渋野だが、2番パー5で4メートルを決めてバーディーを先行。4番パー3からは3連続バーディーとスコアを伸ばし、67でホールアウトした。

 東京五輪の出場は28日付の世界ランキングで原則各国上位2人まで。今大会前、日本勢は11位の畑岡がトップで、25位の稲見、28位の古江彩佳(21=富士通)が続き、渋野は4番手の31位で、逆転代表入りの“ラストチャンス”となった今大会は5位以内が絶対条件だった。

 くしくもコロナ禍で東京五輪が1年延期となったことが代表争いに大きく影響した。渋野は将来の米ツアー参戦を見据えて海外遠征を優先するケースが増えたものの、好不調の波が大きく予選落ちが多くなるなど、思うような成績を残せない試合が続いた。他の選手の台頭もあって悔しい結果となった。

 渋野は「3か月の(遠征)最後のラウンドだったので、攻めていこうという気持ちで、それを貫けたのはすごく良かった。いろいろなことを経験できた。(五輪代表争いは)悔しいけど、自分の今できることはやりきった」とコメントした。

 五輪出場を逃した渋野は、次の目標となる米ツアー出場権の獲得に向けて、これからの活躍を誓っていた。