プロ7年目の初V!前田陽子“宇宙人的カン”冴えた

2014年11月17日 16時00分

 ゴルフの国内女子ツアー「伊藤園レディス」最終日(16日、千葉・グレートアイランド倶楽部=パー72)、プロ7年目の前田陽子(29)が、通算9アンダーで並んだ大城さつき(25)との2ホールのプレーオフを制してツアー初Vを飾った。いつもはおおらかな性格の持ち主が、今週は「1グラムの誤差」を見分けた超人的な感覚を発揮し、勝利を呼び込んだ。

 

 12歳でゴルフを始め、2008年に5回目のプロテストで合格したが、昨年までの通算獲得賞金は73万8000円。昨年賞金女王に輝いた同期の森田理香子(24=リコー)とは大きな差をつけられ、今年1月までは地元・徳島の段ボール工場で時給810円のアルバイトをしていた苦労人だ。

 

 そんな前田は、関係者が「宇宙人」と表現するほど、つかみどころがない性格だ。例えば、新製品が出た時に特徴の違うシャフトを装着して打ち比べても、前田は「よく分からない」を頻発。メーカー担当者から「これがいいんじゃない」と勧められて、ようやく決めるパターンだという。

 

 ところが今週は、すり減っていたSWの新品をスタッフが渡すと「何だか重い気がする」。量ってみると確かに1グラム重かった。

 

 いくらプロでも重量差を感じられるのは3~4グラムまでといわれる。400グラムを超えるSWを持ち、1グラム差を指摘するのは至難の業。普段はクラブの違いもあまり感じない前田が、それを言い当てたほど五感が冴えていたのだから必然と言える優勝だった。

 

 バイトでゴルフ代を捻出した時代を乗り越え、V賞金1800万円と副賞の高級国産SUV車(400万円相当)を手にした。にもかかわらず「大きくてカッコいい外車が欲しいですね」。1年前では想像もつかないぜいたくな悩みを抱えることになった。