米男子ツアーの2014~15年シーズン開幕戦「フライズコム・オープン」最終日(12日=日本時間13日、カリフォルニア州ナパ・シルベラードリゾート=パー72)、松山英樹(22=LEXUS)は通算12アンダーで昨年に続く3位に食い込んだ。メジャー制覇への期待が高まる一方、ツアーや主催者からは国内トーナメント参戦を熱望されている。松山は出場試合を未定としたままだが、ライバル石川遼(23=CASIO)の父・勝美氏(58)は今季から導入された国内新規定に反対を唱えた。どういうことか?

 3週間のオフでリフレッシュした松山が今季も快調なスタートを切った。第3ラウンドの連続ボギーフィニッシュで、優勝した2011年の日本ツアー賞金王・ハイ相文(べ・サンムン=28、韓国)を脅かすには至らなかったが、最終日は3バーディー、1ボギーの70をマーク。上がり2ホールを連続バーディーで締め、前日のリベンジも果たした。


 5番1・2メートル、13番1・5メートルなど、再三のチャンスを逃したが「最終日も崩れなかった。4日間通じていいプレーができた」と手応え十分。「ショットもパットも光が見えてきた」と前向きだ。


 今週の「シュライナーズホスピタル・オープン」、さらにアジア開催となる2試合に出場して帰国となる見込みだが、その後のスケジュールについては「まだ決めていない」としたまま渡米。国内ツアー終盤戦の出場については態度を明らかにしなかった。


 日本ゴルフツアー機構(JGTO)では今季から海外ツアー参戦中の選手に対し、5試合の出場義務を導入。現状で1試合の出場にとどまっている松山は日程上「太平洋マスターズ」から最終戦「日本シリーズ」まで4連戦をこなさなければならない。5試合をクリアできない場合、昨季の賞金王で得た長期シードの権利を来季は行使できなくなる。


 賛否両論の新制度に対し、意外な人物が反論する。松山のライバル・石川の父でコーチの勝美氏だ。「私は反対、猛反対です。こうした規則は理想のもとに考えなくてはならない。JGTOにはその理想がないのでは?」。石川がすでにその5試合をクリアしているにもかかわらず、強く疑問を呈した。


 勝美氏が日本ツアーに描く理想は「米ツアーに5人以上が参戦し、彼らが時々、帰ってくるような状況」。海外参戦の足かせとなる制度はこれに逆行するというわけだ。


 松山が現時点で国内参戦を明言しないのは、JGTOが定めた出場義務試合数よりも、調整や休養が優先という意思表示ともとれる。石川父という思いがけない援軍を得た形だが、果たしてどんな決断をするのだろうか?