ゴルフの「世界女子アマチュアチーム選手権」初日(3日、長野・軽井沢72東C)、注目の勝みなみ(16=鹿児島高1年)は2オーバーの74で、日本は首位のカナダに9打差のイーブンパー、16位と出遅れた。52年ぶりの日本開催となった今大会は、2020年東京五輪への前哨戦。6年後のエースとして期待される勝は、ハードな肉体強化をスタートさせている。

「何が悪いのかも、よく分からないままプレーしていました」(勝)。国を背負っての団体戦のプレッシャーなのか、国内女子ツアーで史上最年少優勝を果たした天才少女も、いつものプレーは見せられなかった。

 第2打をグリーン左のバンカーに打ち込んだ最終18番パー4を振り返り「なんで左に行ったのかが分からない。いいバンカーショットでパーはセーブできたんですけど…」。最後までモヤモヤは続いた。

 それでも、ラウンド後の練習を終えると「もう大丈夫」と明るい表情。筑波大学の白木仁教授と、宿舎に戻ってからのトレーニングの打ち合わせをしてコースを後にした。

 白木教授は五輪代表選手や元プロ野球の工藤公康氏のトレーナーを務めた人物。現在はゴルフのナショナルチームの指導も担当している。

 勝の肉体について、白木教授は本紙の取材に「中学生だった昨年までに比べると、かなりしっかりしてきた」と太鼓判。大会直前に風邪をひくアクシデントはあったが、すでに体調は戻っているという。

 シーズン中は「ケガをしないことが最優先」で激しいトレーニングは行わないが、オフには「腹筋なら200~300回とか、かなりハードにやっていた。だから活躍できるというものではないけど、シーズンを通して戦う体力はついてきたと思う」。もちろん、これも2020年東京五輪を見据えてのハードトレだろう。

 4月のツアー最年少Vから8月の「日本ジュニア」初優勝まで、コンスタントに成績を残してきたのは、このトレーニングのたまもの。一方で「普段のトレーニングメニューは渡しているけど、強制はしていません。『やってる?』と聞いたら『あんまり』なんて言ってますよ(笑い)」。今後に向け、まだまだ伸びシロは十分ということだ。

 5月の「サロンパスカップ」で初日10オーバーの82から、2日目に7アンダーの65と強烈な追い上げを見せた勝は「あの経験があるので、ゴルフは何があるか分からない。目標を高く持ってやりたい」。五輪へとつながるチャージを誓った。