韓国メディアが、男子ゴルフの海外メジャー「マスターズ」(11日=日本時間12日)を日本人として初制覇した松山英樹(29=LEXUS)を同国女子ゴルフのレジェンドである朴セリさん(43)にたとえ称賛した。

 韓国紙「毎日経済」はアジア人として初めてマスターズを制覇した松山の偉業を報道。「日本の菅義偉首相は『新型コロナの影響が長くなる中、日本のすべての人々に勇気と感動を与えた」と祝った。また、青木功日本プロゴルフツアー(JGTO)会長も『松山が2011年の東日本大震災の時にアマチュア最高成績を残して傷ついた日本国民に勇気を与え、今年は新型コロナ禍にあって日本国民にマスターズ優勝で希望を与えた』と述べた」と日本での熱狂ぶりを伝えた。

 こうした祝福の言葉から、同紙は松山を〝国難に現れたヒーロー〟と位置づけ、韓国でも同様の事例があったと紹介。「今回の日本全体の雰囲気は、まるで1998年のIMF(国際通貨基金)外国為替危機で全国民が失望に陥ったときに希望を与えた韓国の朴セリを思い浮かべる」と指摘した。

 朴さんは98年5月に行われた全米女子プロゴルフ選手権で初出場初優勝、同年7月の全米女子オープンでは大会史上最年少優勝という偉業を果たした。国家の危機にゴルフ界で伝説をつくったアジア人選手という共通点から、松山を朴さんの活躍と重ねて報じたのだ。

 近年の世界のゴルフ界では韓国勢が日本勢より活躍するケースが目立つだけに、韓国側の〝プライド〟をのぞかせつつ松山の偉業をたたえる報じ方になったのかもしれない。