出場権獲得は狭き門に…。国内女子ゴルフのシーズン再開初戦となる「ダイキンオーキッドレディス」(4日開幕、沖縄・琉球GC)の公式会見(2日)で国内メジャー2連勝中の原英莉花(22=日本通運)が来季の米女子ツアーの出場権をかけた予選会(Qスクール)への挑戦を表明した。今年の予選会は渋野日向子(22=サントリー)や笹生優花(19=ICTSI)も挑戦予定。数少ない枠をかけた日本勢同士のサバイバルとなりそうな雲行きだ。

 昨年は新型コロナウイルス禍で中止となった予選会の開催はすでに決定事項となっている。1次は8月、2次は10月。最終予選会の日程は決まっていないが、一昨年は10月から11月にかけて8ラウンドの長丁場で行われた。

 例年通りであれば、8月の時点で世界ランキング75位以内にいれば、最終からの参加。原は「最終からの資格がないということは今年手こずっているということになると思うので」。現在の世界89位からランキングを上げ、1次、2次をパスできた場合のみ、受験する考えだ。

 来季の出場資格を得られるのは最終で上位の約45人。同じ世界ランクの資格で一昨年の最終予選会に臨んだ河本結(22=リコー)が9位で突破。畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)、山口すず夏(20=環境ステーション)らは高校3年時に初挑戦で予選会をクリアしており、原も日本での実力を発揮できれば、十分に出場権獲得は可能だろう。

 とはいえ、45人に入れば、試合に出られるというわけではない。予選会から出られる枠は限られており、各大会、上位から優先的に出場となる。9位通過の河本でも昨年はマンデー(各大会の予選会)にエントリーした試合があったほどで「常に試合に出られるのは1位、2位の選手だけと思っておいた方がいい」(米女子ツアーに詳しい関係者)。予選会を突破しても20位以下、30位以下ではなかなかチャンスが巡ってこないのが実情だ。

 上位45人に入ることを考えれば、それほど気にならないが、安定して試合に出られる上位のわずかな枠を争うとなれば、原、渋野、笹生はお互いが強力なライバル。中止になっていなければ、昨年受験予定だった渋野、日本のプロテスト合格前の一昨年の予選会に失敗している笹生は今年にかける思いも強いはずだ。

 もちろん、原も本気モード。初の海外メジャーで152位(予選落ち)に終わった昨年12月の「全米女子オープン」の経験を生かし「海外の選手との違いを発見して、どう対応していくか、自分なりに調整してきました」。アイアンショットの弾道を高くするなど、今オフは自らのゴルフを米国仕様にマイナーチェンジ。まずは世界ランク75位以内へ「前半戦が大事」と初戦からのスタートダッシュを誓った。